Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

日々の疑問

状態変化から急変対応の最低限のラインってどこ?②

さて、前回の内容の患者評価の情報提供をスタッフにしたところ、 「脈拍の有無でACLS or ABCDEアプローチの二択に分ける必要があるのか?」 という質問がありました。(ACLSだけで良いのでは? という意味) 個人的には、このABCDEアプローチの先こそが一般…

アナフィラキシーのオプション?

アナフィラキシーに対しての薬剤で余裕があればオプションとして 頭の片隅に置いておきたい薬はグルカゴンです。 β遮断薬が使用されている患者にアナフィラキシーが起きた場合、 β遮断薬がアドレナリンの効果を邪魔してしまい、 有効な血圧上昇が得られない…

アナフィラキシーに胃薬?

昔、私のブログでもアナフィラキシーの対応について書いたのですが、 いつか会うかなアナフィラキシー - Dream-Nursing これとは別に、最近こう聞かれることが増えました。 「アナフィラキシーに胃薬って使います?」 聞いた当初はあまり意味がわからなかっ…

いつか会うかなアナフィラキシー

アレルギーの中で怖いものと言えばもちろんアナフィラキシーですが、 皆さんはアナフィラキシーの患者に直面したことがありますか? 私は最初の職場では一回も無かったのですが、 職場を移動してから割と多めに直面しております。 ちなみに輸血を取り扱う機…

これも第一印象?②

さて、前回は第一印象で患者を評価した例を勝手に作って示してみましたが、 毎回あんなに都合良く体調の悪い患者を発見して評価出来るわけではありません。 (しかも、偉そうに後輩の前で (笑)) ただ、第一印象を使うタイミングをよく聞かれたりするので…

認識のズレ

基本的に患者の体調の変化に対して、看護師は対症療法しかできない。 これは医師の指示の元、看護師が医療的処置をする ことを踏まえれば仕方ないことである。 逆に言えば、事前にバイタルサインの変動に対する医師の指示があれば看護師はなにかしら動ける。…

後輩からの質問⑤

特殊な身体所見使ってみようぜ(呼吸苦を発見④) - Dream-Nursing 後輩 「・・・また恐ろしいモノ持ってきましたね。(前回参照) ヌゥ 「何が?」 後輩 「マニアックな身体所見ですよ!バルサルバってのは少しくらい聞いたことありますけど、腹部―頸静脈テ…

「私にはまだレベルが高いです」

BLSやACLS、PEARSの話をスタッフにすると大抵がこのように返答してきます。 これは私よりも歳下のスタッフによく見られる傾向なんですが (歳上は「今更」とか「私出来るし」とか「知らなくても仕事出来てる」とか言ってることが多い) これを言われてしまう…

後輩からの質問③

呼吸苦を発見?②(身体所見) - Dream-Nursing ヌゥ 「とりあえず今回の呼吸苦に関連した浮腫でわかるのはこの辺りかしらね」 後輩 「浮腫だけでこんなに考えることがあるんですね」 ヌゥ 「ちなみに全身性の浮腫でいえば、 心疾患系は下肢に浮腫が出やすい …

後輩からの質問②

前回記事参照 呼吸苦を発見? - Dream-Nursing ヌゥ 「・・・って感じで呼吸苦は評価するんだけど」 後輩 「って感じ……って、この間、心不全の身体所見が何か無いかを調べてきてくれるって聞いてたんですけど?」 ヌゥ 「うん」 後輩 「これはトリアージでは…

後輩からの質問

後輩 「先輩って身体所見とか得意じゃないですか? ヌゥ 「得意というわけではないけど、まぁ勉強はしてるわね」 後輩 「この間、廊下歩いてたら病室からすごい喘鳴が聞こえる患者がいたんですよ。自覚的な呼吸苦は軽度ですが呼吸が荒くて」 ヌゥ 「ほうほう…

後輩との会話

患者が示す呼気延長と吸気延長の所見はそれぞれ何を意味しているか? PEARSでいつも話題になる内容ですが、以前そんな所見が見られる患者がいたとのことで少し話題になり話してみました。 そこまで本格的に話すつもりも無かったんですが、話の途中から後輩の…

急変はインシデントレポート?

極論だと思いますが、皆様はどう考えますか? 『ADL自立した患者が靴紐を結ぼうとしてしゃがんでバランスを崩して転んだ事例』を予防する為の話し合いをするのと 急変した患者にもう少し早期から介入できなかったかを考える話し合いをするのでは どちらが建…

バイタル、身体所見をむしゃぶりつくせ‼︎

この間、末梢冷感に対する患者評価に関して疑問を呈したヌゥです。 もしかしたら “末梢冷感がある状態でSpO2を測るな” という意味で取られた方もいるかもしれませんが、そういうわけではありません。 “SpO2が測定出来なくても呼吸状態に問題があるかどうかは…

ワガママ研修(笑)

はいはい、久しぶりのPEARS、ACLS二連戦です。 またまた現地コーディネーター(笑)として場所の調整だけでBLS横浜様の研修に参加させていただいております。 職場のスタッフにPEARSを受けさせたい、という個人的なワガママみたいなものでBLS横浜様には出張…

スキルの維持

発熱した患者や痛みを訴えた患者に対して医師を呼んで対応していただくのは容易い。 もちろん、急変とか突発的な事故とかそれが正解のケースもある。 ただ、もし医師を呼ぶのならしっかりとした理由が欲しい。 なので、面倒くさがりな裏の顔が出てくるのをグ…

看護って……?

看護とは何か……を考えると夜も眠れなくなります(笑) ナイチンゲールさんは疫学と統計と衛生を駆使して圧倒的な結果を出したという逸話があり、 それを看護師の発祥とみなすのであれば、何故に疫学と統計がこれ程までに看護の分野から離れてしまったのか………

勉強会について

さてさて、勉強会の企画ですが以前にも書いたように まず、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸、意識、体温)の一通りの解釈の仕方をまとめて説明した後に、 事例を通してどのように活用していくかを実施していこうかと考えていました。 しかし、最初から事例…

勉強会が自己満 反省

さて、前々回まで偉そうに自分でやった勉強会の資料を発表して 「私こんな資料で勉強会やってるのよ?どう?凄い?」 みたいなブログになっていましたが(笑) 『上手な教え方の教科書』を読んで自分の勉強会がいかに自己満のものであったかを痛感したわけで…

急変対応?徐々変対応?

私は以前、職場の急変対応の意識を高めたいという目標がありました。 なので、BLSやACLS、ICLSの紹介や案内を積極的にスタッフにやっていましたが、 あれ?これって急変が起こらないと使えない知識じゃね? と、ある日になって気づきます。 BLSなどのシミュ…

学んだ知識を活かすには?

学んだ事を実際の業務で活かせないのは何故か? これには苦労させられます。 理由を考えてみますと、 本で読んだけど本当に有効なのかわからない 勉強して得た知識だけど周りの人は実践してないし、私だけやってるのも恥ずかしい というような、自分で勝手に…

バイタルサインの価値

私が何故バイタルサインにこだわっているかと言えば、看護師でも得られる基本的な情報であること そして、それを評価する術を学生の時~臨床1、2年目を振り返っても学ぶ機会がなかったことが理由です。 『今更、バイタルなんて』 と言われる看護師さんもいる…

エアウェイについて

ある日、訪室した患者の呼吸が明らかにいびき様呼吸でした。 すぐに気道確保しましたが、中々解除されない。 とりあえず人手を呼んで、医師に鼻咽頭エアウェイ入れてもらったらいびき様呼吸は無くなりました。 どうやら意識障害からくる舌根沈下が原因だった…

PEAについて

もし、心電図モニターで波形が出ているから循環が保たれていると判断している方がいたら、それは間違いです。 心停止の中には「PEA」というものがあります。 無脈性電気活動(PEA:pulseless electrical activity) 秩序あるリズムや、やや秩序のあるリズムが…

モニターへの意識

先日、緊急入院になる患者を私とは違うチームのスタッフAが担当しました。 モニターをつけることになりましたが、つけるとモニター上の心電図がジャミジャミ(伝わる?)しておりました。 まぁ入院してきてベッド上で色々やってる所だろうからノイズっぽいの…

自分で得た知識をどこで使うか(発熱の評価②)

私がいう知識などはすべて文献で得た知識です。 時折、経験から得たものも発信したりしますが、科学的に確証されたものではないので、みなさんに信用してもらえるものだとは考えていません。 なので、文献で得た知識を実践してみてどうだったかを発信してい…

低血圧の対応③

次は昇圧剤に関してですが、ざっくりいうとα作用とβ作用のどちらが前面に出るかで作用が変わってきます。 α作用、β作用に関して ↓↓↓↓↓↓↓↓↓ https://dream-nursing.hatenadiary.jp/entry/2018/12/15/110015 α作用の血管収縮薬かβ作用の強心薬かというように、…

低血圧時の対応②

さて、低血圧の対応に関してですが前回は基本的な流れに触れました。 もう少しだけ詳しくやっていきましょう。 まず基本として、低血圧が見られた場合は「補液」が必要です。これに関しては『UpToDate』にも記載されていました。 『血液量が少ないと十分な昇…

暗記をする?理解をする?

あご 「……………………」 まつげ 「お疲れさ……(やばい、センパイが本読んでる。捕まると質問される。早く帰らないと)」 あご 「ねぇ、まつげさん」 まつげ 「(捕まった~)はい?」 あご 「この本読んだ?」 まつげ 「なんですか?……あ、これ前に副師長に何買っ…

拡張期血圧の位置づけ

看護師になってから、ずっと気になっていたことがあって、 その一つが「拡張期血圧の意味」 新人の時に職場の誰に聞いても教えてもらえず、 指導者には「いや、意味ないんじゃない?」と言われました。 意味がないのならば、なぜ測定しているんだろうとずっ…