自分で得た知識をどこで使うか(発熱の評価②)
私がいう知識などはすべて文献で得た知識です。
時折、経験から得たものも発信したりしますが、科学的に確証されたものではないので、みなさんに信用してもらえるものだとは考えていません。
なので、文献で得た知識を実践してみてどうだったかを発信していきたいと考えています。
この「得た知識を実践」という考え方は、一つ私が重要視しているものです。
私の好きな本の一冊に『五輪書』があります。
この中で好きな文章が(ツイッターにも書きましたが)
『此書にかき付けたるを、我身にとって書付くを、見るとおもはずならふとおもはず、にせ物にせずして、則ち我心より見出したる利にして、常に其身になって、能々工夫すべし』
『五輪書』水之巻より
まぁ要は、
「ここ(五輪書)に書かれた事を自分で生み出したかのように使いまくって自分のものにしろ」(凄い雑な訳)
というような内容だと思っています。
これは人や本から得たものを自分のモノにするのに必要な工程だと考えています。
得た知識は自分で使いまくっていかないと本当には理解できません。
qSOFAも自分で使いまくっていかないと前回のように
「始めから血圧100以下の人は?」
「意識レベルの変容ってどのくらい?」
という疑問が出て来にくいと思います。
さらに、qSOFAを使用して2項目以上が陽性になった。
ではその後どうするか?
勘違いしてはいけないのは、私たち看護師は敗血症の診断をする(できる)わけではありません。
予測や疑うことはできても確定はできません。
だからといって、あとは医師任せというわけでもありません。
実際には看護師は考えなければいけないこと、動かなければいけないことがたくさんあります。
医師に報告する?
ではそのあとは?
時間が取られるけどその間の他患者の対応はどうする?
医師が動いてくれなかったらどうする?
医師に危険性が伝わるような報告の仕方は?
qSOFAを知らない医師には何を強調して報告する?
今後の治療(例.EGDT・sepsis six)を踏まえて考えると準備する物品は?
周囲の看護師にはどうやってフォローしてもらう?
こういったことも、ただqSOFAを座学で知識として得るだけでは思いつかなかったりするでしょう。
また、qSOFAは引っかからなかったけどSIRS(全身炎症反応症候群)では陽性だったなどということもあると思います。
こういったことも実践の中でしか気づくことができないと思います。
あなたが患者のために学んだことに無駄なことなんてありません。
座学で学んだ知識はどんどん実践して、新たな疑問を得てさらに座学で知識を得ていきましょう。