ある看護師の訪室から評価の流れ
前回、結局視診で重要なことは
見た目に体調が悪そうかどうか
と書きましたが
実際にはどのような姿を体調が悪そうと判断するのでしょうか?
声を掛けた時に返事が無い
⇨レベル低下?
臥床したまま
⇨動けない理由がある?
開眼しないで会話だけする
レベル低下?意欲減退?
こちらに目が向かない(スマホ、パソコン、本に夢中は除く)
⇨他に気になる事がある?
訪室しても棚をゴソゴソいじっており、会話をしながら落ち着きが無い
⇨せん妄?
会話が上手くできない(返事が変、一文章話せない)
⇨レベル低下?せん妄?呼吸状態悪化?
訪室して上記内容が一つでもあったら、個人的には危険度を上げます。
そこから評価に移ります。
もし、緊急性が高そうであれば人手を確保して手伝ってもらいます。(この評価はPEARSの第一印象で判断します)
少し気になる程度であれば、PEARSの一次評価やNEWS score、qSOFA、SIRSなどのスコアリングを使って客観的な指標で評価します。
ここで、自分が感じた主観的な懸念と客観的な情報の統合をして、自分勝手な評価にならないようにすると説得力が増すと思っています。
ここまできたらバイタルサインなどの基本的な情報が手元に集まっているはずです。
そしたら最終的な評価を実施します。
そして、評価の結果を医師や他の看護師に伝達します。
伝達方法はSBARを使用します……というか、別に整理して他人に伝えられるならどんな方法でもいいです。
ただ、こうした報告の時には「次に何をすればいいか」が抜けがちなので、何かテンプレを使用して報告した方が抜けが少ないと思います。
そして、報告して何かしらの介入をした後、
満足する人もいれば、
「もっと何か出来ないか?これだけでいいのか?」というように、より不安になる人もいると思います。(ちなみに私は不安になる人)
不安になる人は、もし何か考えつくなら医師や他の看護師に「〇〇した方がいいですかね?」などと相談してみましょう。
医師からの指示が無いと我々は処置が出来ないので、医師に相談するのは当然として、
自分だけの評価や意見だと視野が狭くなっている場合があるので、その場でやらなければならない緊急的な処置以外はしっかり周りと相談した方がいいと思います。
そして、介入した処置が適切なものだったかを再評価するのも忘れずに行いましょう。
よく、医師から「様子見」と言われる事があると思いますが、
言葉の通り様子を見ているだけでなく
異常が良くなったのか悪化したのかをしっかり観察するようにするといいと思います。
「心配だけど様子見だから何も出来ない」
ではなく
「心配だから患者評価の頻度を増やして、異常を見逃さないようにしよう」
と考えるようにしていきましょう。
まぁ、この流れを全患者にやっていると時間がいくらあっても足りないので、
体調に変化が無さそうな患者には第一印象、バイタル測定(NEWS scoreの判定)くらいで切り上げます。
私がやってるのはこんなもんですかね?
それでも急変察知にはまだまだです。
何が足りないのでしょうか?
日々振り返りです。