Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

循環状態

更なる皮膚所見の可能性

皮膚の色調によって敗血症患者の重症度が察知できるかもしれないという論文があることは以前ブログで紹介した。 皮膚所見って観てる? - Dream-Nursing 月日が経ち、今ではこのような本でも網状皮斑(Mottling skin)に関して紹介されるようになった。 INTEN…

脱水の所見②

後輩 「ってことは、口腔粘膜と腋窩の乾燥具合さえ見ておけばいいんですね」 ヌゥ 「いや、違うのよ。こういう話すると『〇〇は有用でその他は価値なし』みたいな二元論になりがちなんだけどそういうわけではないの」 後輩 「はぁ……(二元論?)」 ヌゥ 「例…

脱水の所見

脱水の所見でいわゆる特徴的な所見とされているもの 乾燥した粘膜 落ちくぼんだ目 皮膚の緊張感(ツルゴール)の低下 精神錯乱 脱力 発語困難 など 採血結果で実際に脱水だった患者と身体所見との比較をしているいくつかの論文を踏まえると、 皮膚の緊張感の…

特殊な身体所見使ってみようぜ(呼吸苦を発見④)

腹部―頸静脈テスト(Abdominojugular reflux) 内臓の静脈血を心臓の方へ移動させ、静脈還流を増加させる手技 問題なければ中心静脈圧はこの手技では変化しない。(もしくは、1~2拍上昇してからすぐに正常に戻る) これは前負荷を増加させた時にそれを処理…

中心静脈圧確認してみようぜ!(呼吸苦を発見?③)

中心静脈圧 基本情報 中心静脈圧は基本的には右室の拡張期圧と同じである。 中心静脈圧は心機能および右心系の血行動態の重要な臨床指標になる。 中心静脈圧が正常であれば、頸静脈は仰臥位では十分に拡張し、立位では完全に虚脱して見える。 右心系の拡張期…

看護師さん、患者さんに触れあおうぜ ‼️

なんか「どうぶつとふれあおう!」みたいなノリに聞こえるかもしれませんが、 一応真面目に、四肢の冷感に関する興味深い論文があったので紹介します。 Alexandre Lima: 『The prognostic value of the subjective assessment of peripheral perfusion in cr…

消化管出血

患者評価 バイタルサインは重要だが、バイタルサインに問題がないからといって安心しない。 出血が循環動態に影響しているかの予測にはバイタル・身体所見を重視(時折バイタルが崩れるよりも早く身体所見が出る) →末梢冷感、橈骨動脈の触れ、冷汗、CRTが何…

すぐに動ける!急変対応の基本③

さて、第3章なんですが個人的にはここが一番興味深いところでした。 意識障害と意識消失の違い、失神の定義、失神で考えるべき原因、痙攣の出現の仕方の違いなど 恥ずかしながら、意識障害と意識消失の違い、整理出来ていませんでした。 そして、以前もツイ…

皮膚所見って観てる?

Hospitalist ~病院総合診療医~: 敗血症性ショックにおける蘇生の指標: 末梢循環 vs 乳酸 こちらの記事には興味深いことが記載されています。 個人的に敗血症や重症管理ではCRTやMottlingといった末梢循環所見をバイタルサインと同じように頻回に, よくフォロ…

バイタルサインのポイント

バイタルサインをここでは体温、血圧、脈、呼吸、意識の5項目とします。(もし尿量が把握できる環境にいれば尿量も含めて6項目とする) バイタルサインを把握することで、症状の激しさとバイタルサインの変化の度合いに注意し、緊急性が高いか、そうでないか…

PEAについて

もし、心電図モニターで波形が出ているから循環が保たれていると判断している方がいたら、それは間違いです。 心停止の中には「PEA」というものがあります。 無脈性電気活動(PEA:pulseless electrical activity) 秩序あるリズムや、やや秩序のあるリズムが…

低血圧の対応③

次は昇圧剤に関してですが、ざっくりいうとα作用とβ作用のどちらが前面に出るかで作用が変わってきます。 α作用、β作用に関して ↓↓↓↓↓↓↓↓↓ https://dream-nursing.hatenadiary.jp/entry/2018/12/15/110015 α作用の血管収縮薬かβ作用の強心薬かというように、…

低血圧時の対応②

さて、低血圧の対応に関してですが前回は基本的な流れに触れました。 もう少しだけ詳しくやっていきましょう。 まず基本として、低血圧が見られた場合は「補液」が必要です。これに関しては『UpToDate』にも記載されていました。 『血液量が少ないと十分な昇…

低血圧時の対応

血圧の成り立ちを考えてみると、 血圧は「心拍出量と血管の抵抗」によって左右されます。 そして、心拍出量は「心拍数と1回拍出量」によって決まります。 さらに、1回拍出量は「前負荷、後負荷、心筋収縮能力」によって決まります。 前負荷とは、 ⇨血液が…

脈圧について

私が看護師になってから気になっていることの一つに 「脈圧」 があります。 新人の頃、下血した患者の報告を医師にしていて バイタルを聞かれて報告した際に 「脈圧はどのくらい?」 と聞かれて、何故必要なのかわからない上に計算式が思い出せなかったので …

拡張期血圧の位置づけ

看護師になってから、ずっと気になっていたことがあって、 その一つが「拡張期血圧の意味」 新人の時に職場の誰に聞いても教えてもらえず、 指導者には「いや、意味ないんじゃない?」と言われました。 意味がないのならば、なぜ測定しているんだろうとずっ…

バイタル評価 循環⑥ 総括

PEARSは状態安定を目的にしたものなので 収集する情報も当然それに沿ったものになります。 この患者の生命を脅かすものが何か? 問題は呼吸?循環?それ以外? 循環だったらどこに問題?心臓?血液量? この問題に対して自分はどうする?介入?様子見?報告…

バイタル評価 循環⑤

血圧の低下は、いわゆるショックと言われ恐れられています。しかし、ショックの正確な定義は血圧の低下ではなく 「全身の細胞レベルでの酸素供給不足の状態。特に重要臓器(脳と心臓重要臓器)に酸素が送られない状態」 を言います。なので、血圧が低下して…

バイタル評価 循環④

なぜかバイタルサインの話をすると血圧を思い浮かべる方が多い印象があります。 私はどちらかというと手首を触ればすぐに感じる事ができる「脈拍」の方が好きなんですが・・・。 脈の拍動って落ち着きません? ・・・大丈夫ですよ?自分が気持ち悪い自覚はあ…

循環評価しようぜ④

あご 「あの後すぐバイタルが落ち着いて、意識レベルも戻ったから内視鏡にいったわね。ちょっとびっくりしたわ」 まつげ 「ちょっとどころじゃないですよ、パニクって頭フリーズしました。でもちょうど先生来たところで良かったですね」 あご 「本当ね、ちら…

バイタル評価 循環 ③

いや~前回は緊迫した場面でしたね(笑) これは私が設定した場面なので、色々情報としては薄いですがお許しください。 PEARSでは脈拍、動脈の触知(末梢・中枢)、CRT、皮膚色・温度、血圧の5項目が循環の評価項目として挙げられています。 順番は前後して…

バイタル評価 循環②

さて、循環の評価方法です。 が、その前に第一印象で蘇生処置が必要かどうかの評価を行います。 緊急性が高いかどうかを評価してから次の一次評価に入りましょう。 一次評価によるABCDアプローチを実践していきます。 実際は色々同時進行していくことになる…

バイタル評価 循環

今回は、一般病棟での場面の設定をしてみました。 まぁ消化管出血になると直接的には関係ないと考える方もいるかもしれませんが、 少し循環に関しての評価を記載していこうかと思います。 というか、この場面設定に似た状況って結構ありますか? 割とモニタ…