呼吸を学びたい
「呼吸管理について教えて欲しい」 とスタッフに個別で言われたので、 何か気になったことがあるのかを伺ってみるも、
「何を学んだら良いかわからないので、 とりあえず呼吸管理と称したが、○年目(←若手) は何を勉強したら良いでしょうか?」
という質問だった。
学ぶ気になったスタッフをみて老兵はうれしくなり、突き放すのも 良くないので質問してみる。
Q:人工呼吸器について学びたいのか?
A: ゆくゆくは目標としているが今はそういうレベルじゃ無いと思う。
Q:日々の観察で何か疑問があるのか?
A:特にそういうわけでもないが強いて言うなら肺音の聴診、 異常音が整理できていない。
Q:ちなみに呼吸回数は測定しているか?
A:測定していない。
Q:SpO2は測定しているか?
A:測定している看護師がいれば・・・。
・・・
・・・
・・・
なるほど・・・
一般的な呼吸に関する評価を学びたい(というか学んでもらおう) という認識だと心得ました。
SpO2も呼吸回数も測定していない時があるのはちょっと気にな ります。
とりあえず、
- 人間は酸素を使って効率的にエネルギーを生み出すことが出来てい ること
- 呼吸は酸素を取り込むこと(酸素化) と二酸化炭素を吐き出すこと(換気)が主な目的であること
- SpO2では換気は評価できないこと
- 不安定な患者の呼吸回数の相対的な変化は心拍数や収縮期血圧の相 対的な変化よりも重要であること
- 呼吸回数は安定した患者とリスクを持つ患者を識別する良い指標に なりそうという情報があること
- 個人的には
呼吸回数20回以上で「おや?」
呼吸回数22回以上で「体調悪い?」
呼吸回数26回以上で「ヤババ!?」
呼吸回数30回以上で「急変する!?」
と考えていること。
上記を説明しました。
それらを踏まえた上で日々の観察をどうするか?
基本となるのは普段からの呼吸回数の測定で普段の状況(酸素化、 換気)を把握する。
正常をもとにして異常を把握する。
正常が把握できていなければ異常も認識できない。
酸素の流れを気道から肺胞から血管内のHbから各組織へと意識し て呼吸状態を評価する。
これらを普段の検温時などから意識してみましょう。
と、お話。
さてさて行動変容に繋がるか?