測定しない理由?:呼吸回数が重要なことを考える為の基礎知識
さて、ここまでで呼吸とは
『体外から取り入れた各細胞に酸素を送り届けエネルギーをつくり、その代謝により産生された二酸化炭素を肺胞まで送り届けて体外に出す』
という説明をしてきました。
また、
「外呼吸・内呼吸のなかで障害が起きている部分(酸素の供給不足が生じている部分)を認識し、そこへの酸素供給を改善させる事が重要」
ということも言ってきました。
ここまで聞けば、「エネルギーの元になる酸素を取り入れる行為(つまり呼吸)がとても大切」という気がしてきませんか?
なぜ、ここまでのことを説明してきたかというと、呼吸回数を測定しない理由の一つに
「そもそも、測定することで何がわかるのかがわからない」
という意見が多かったからです。
確かに呼吸回数を測定することが大切!と言われて呼吸回数を測定し始めたとしても、
これが何を意味しているのかを把握しているのとしていないのとでは、患者評価に対する意識が変わってくるのではないでしょうか?
つまり、呼吸回数が増えている患者を見たら、
「身体を動かすためのエネルギーの元になる酸素を普段よりも身体が欲している」
と認識し、
- どこかでエネルギーの消費が激しくなっている
- どこかで酸素の運搬が滞っている
- どこかで酸素の活用が有効にされずにエネルギー産生の効率が悪くなっている。
といったことを考えましょう。
ここが認識できていると、患者のどこに障害が出ているのかを考えやすくなりますし、
他のスタッフに「なんで呼吸回数測定しているの?」と言われても
「いや~実は・・・」なんて、したり顔で説明できたりします。
どうですか?
少しは呼吸回数を測りたくなってきましたか?
すぐに受け持ち患者全員を測定しなくても良いです。
まずは一人、測定する事を始めてみてください。
まとめ
まずは一人測定してみよう。
頻呼吸があったら意味を考えてみよう。