呼吸回数を測定するだけ?
呼吸回数を測定して異常値だから報告って、それはただのモニターと同じではないでしょうか?看護師に求められるのはもっと別の事ではないでしょうか?
といった意見を頂くことがあります。
グゥの音もでません、ごもっともです。
機械ではない医療者は、患者評価、アセスメントなど、自分で思考した結果を表現できるべきだと考えます。
ただ、それを免罪符にして「だから呼吸回数を測定しない」という思考にはなるのはちょっと待てよと言いたい。
確かに、設定した異常値に該当したらアラームで教えてくれるモニターは、機械ですから何かしらのアルゴリズムを入力しない限りはアラーム通知で終わりです。
なので、バイタル測って異常値だったから報告……で終わっていたら看護師もモニターと同じ役割しか果たしていないのでは?と考えるのも最もです。
ただ、モニターで測定出来るのは心電図と血圧とSpO2です。
呼吸回数も測定出来ますが、体動などの影響を受けやすく現時点ではそこまで正確性の高い情報ではないと私は判断しています。
なので、呼吸回数は実測の必要があります。
モニター上は血圧や心電図、SpO2は大きな変化は無い(アラームが鳴らない)が実際には呼吸回数が増加している。
これを早期に認識するにはベッドサイドで患者の呼吸様式を確認するしかありません。
そして、呼吸回数が増加しているのがわかったら理由を探る為に注意してアセスメントをする必要があります。
ここに気づく事ができる時点で、モニターよりも上に行けていると思いませんか?
……ちょっと無理やりな理屈ですが(笑)
まぁ、人は自分が新しい事を避けるための言い訳はいくらでも思いつきます。
でも、新しく始める事があなたにメリットをもたらすとしたらどうでしょうか?
実際、呼吸回数を測定することは患者のベッドサイドにいる時間が数十秒から数分長くなります。
一人にかける業務の時間が長くなって、仕事が回らなくなるからイヤ?
それとも、体調悪化傾向にある患者を早期に把握して最低限の介入で状態を安定化させられるかもしれないから良し?
あなたはどちらですか?
……
……
……
……まぁ、難しい事を考えずに、まず呼吸回数を測定してみて下さい。
そしたら、あなたはモニターより上の看護師です。