脱水の所見
脱水の所見でいわゆる特徴的な所見とされているもの
- 乾燥した粘膜
- 落ちくぼんだ目
- 皮膚の緊張感(ツルゴール)の低下
- 精神錯乱
- 脱力
- 発語困難 など
採血結果で実際に脱水だった患者と身体所見との比較をしているいくつかの論文を踏まえると、
皮膚の緊張感の低下、口腔粘膜の乾燥、腋窩の乾燥が脱水の可能性を高める。
逆に、舌に亀裂がなく皮膚に正常な緊張感があれば脱水の確率を低くする。
落ち窪んだ目や脱力、精神錯乱の所見はそれほど判定には影響しないとされる。
Axillary sweating in clinical assessment of dehydration in ill elderly patients. - PubMed - NCBI
Clinical indicators of dehydration severity in elderly patients. - PubMed - NCBI
※ちなみに、基本的に脱水は循環血液量の減少と考える。
よって、バイタルサインの変化としては脈拍上昇、収縮期血圧低下・拡張期血圧上昇(つまり脈圧低下)
末梢冷感あり、CRT延長(ただし高齢者は元々CRT延長してることがあるので注意)
静脈圧は低下していることが考えられ、頸静脈は虚脱、手背の静脈も虚脱していることもありえそう。
所見をまとめると
口腔内の粘膜を確認して、粘膜が乾燥しているかどうか、舌に亀裂や縦皺が入っていないかどうかを確認、それらの所見があれば脱水の可能性が高まる。
さらに、腋窩は乾燥していれば脱水の可能性を高める。ただ、乾燥していなくても脱水の可能性はある。
病歴やバイタルサインで脱水を疑う場合は、口腔粘膜や腋窩の乾燥具合をみると説得力がでる。
参考文献