後輩からの質問(脱水)
後輩
「ヌゥさんヌゥさん」
ヌゥ
「あ、良いところに。この前あなたが聴診器使いたいって言ってたから、今度は心音の聴診の資料作ってる所なんだけど」
後輩
「そんなことより聞きたいことがあるんですけど」
ヌゥ
「そんな事って・・・ひどいねぇせっかく希望に応えようとしてたのに」
後輩
「まぁ、それは後で教えてくださいよ。それより気になることがあるんですけど」
ヌゥ
「何?」
後輩
「患者さんの脱水ってどうやって見分けるんですか?」
ヌゥ
「脱水?何?急に」
後輩
「いや、家であんまり物が食べられなくて体調が悪いって事で入院になった高齢の患者さんがいるんですけど、血圧が低くて脈がちょっと速い、意識レベルも微妙な感じなんですよ」
ヌゥ
「なに?その微妙な感じって?ヌゥさんそういうの好きくないわ」
後輩
「なんですかその一人称?JCSⅠ-1でなんか変って感じです」
ヌゥ
「フムフム、それでそれで?」
後輩
「家では寒くて、炬燵から出るのが嫌だから水分をあまり取らなかったような気がする……って本人が言ってました」
ヌゥ
「なるほどなるほど、まぁ話を聞く限りだと脱水のような気がするけど」
後輩
「私も脱水かなって思ってはいるんですけど、ヌゥさんそういうの嫌いじゃないですか?」
ヌゥ
「何が?」
後輩
「なんとなくの決めつけが嫌いというか、『何を根拠にそんなこと言ってるの?』みたいに問い詰めてくるでしょ」
ヌゥ
「え?そんなイメージ?」
後輩
「あと、人の言うことにイチイチ難癖つけてくるじゃないですか?」
ヌゥ
「酷い、何を根拠にそんなこと言ってるの?」
後輩
「ほら」
ヌゥ
「……」
後輩
「……」
ヌゥ
「……それで?」
後輩
「(……怖)いや、だから何を根拠として挙げれば脱水と言えるのかなって」
ヌゥ
「身体所見で?」
後輩
「そう、身体所見で」
ヌゥ
「ん〜、まぁよく言われるのはツルゴールの低下だよね」
後輩
「ツルゴール?」
ヌゥ
「お肌の張りのこと」
後輩
「お肌の張り……ヌゥさん最近疲れてますよね」
ヌゥ
「え?なんで?」
後輩
「顔のツルゴールが低下してますよ」
ヌゥ
「そういう使い方するんじゃないんだけど……。まぁツルゴールは小児とか若者だったら皮膚の水分量が多いから特徴的な所見になるけど、高齢者だと判断が難しいとされているのよね」
後輩
「加齢で皮膚の水分量が減る……そうか、だから」
ヌゥ
「なんとなく言いたい事はわかるけど言ったら怒るよ?」