Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

後輩からの質問④(静脈圧)

後輩

「静脈圧って、こんなことしないとわからないんですか?」

 

ヌゥ

「いや、カテーテル検査とかすればわかるよ?でもベッドサイドで簡易的に見るにはこの方法が主なものになるね。第5のバイタルサインなんて呼ばれてたりする」

 

後輩

「・・・え?今まで誰も教えてくれませんでしたけど」

 

ヌゥ

「まぁそうでしょうね。そもそも、これが必要な知識だって考えてる看護師は限りなく0%に近いんじゃ無いかな?」

 

後輩

「ヌゥさんもですか?」

 

ヌゥ

「私?私はね、この静脈圧の評価ってものを知ったときは小躍りして、それこそ受け持ちの各患者の頸静脈を観察しまくったもんだったよ。でも正直ちゃんと自信を持って『これが頚静脈の上端だ』って言える経験は出来なかった」

 

後輩

「って事は、結局今でも所見として確認するスキルは無いと?だから要らないと」

 

ヌゥ

「いやいや、貴方に言われて身体所見を調べてる内にある分野ではかなり重要な所見って事がわかったからスキルの確立に再チャレンジしてみようとは思っていますよ」

 

後輩

「ん~・・・」

 

ヌゥ

「そもそも、私がこれを知ったのってもう10年近く前だから今みたいに動画やネットに情報ゴロゴロって時代でも無かったんだよね。今は良いよね、色々学ぼうと思えばアクセスできて」

 

後輩

「でも、ヌゥさんでも観察できるかどうかわからない、習得できるかどうかわからないスキルを私が新たに学ぼうという気になれない・・・というのも本音と言えば本音になります」

 

ヌゥ

「いや、貴方私に勝つとか言ってなかった?」

 

後輩

「何言ってるんですか?無理に決まってるじゃ無いですか」

 

ヌゥ

「いや、私程度なんてすぐに追いつけるよ」

 

後輩

「いやいや、本気で言ってないでしょ?もう言葉の端々から自信がにじみ出てますよ」

 

ヌゥ

「いや、そんなこと無いからね。こんな老兵さっさと追い抜いていってよ」

 

後輩

「だって、頚静脈なんて見つけるの難しそうなんですもん」

 

ヌゥ

「仕方ないなぁ、頚静脈以外にも手背の静脈を観察すれば静脈圧が上がってるかどうかがわかると言われてたりするんだけど」

 

後輩

「・・・え?手背の静脈?そんなのめちゃ簡単じゃないですか?どうやるんですか?」

 

ヌゥ

「ん〜、

  1. まず仰臥位からベッドを30度ギャッジアップさせて患者の腕を身体の側面に置く。
  2.  その状態で手背の静脈を観察する。
  3. 手背の静脈が見えていても虚脱してる場合は中心静脈圧は低いか正常と判断。
  4. 静脈が膨張していたらその腕を検者が徐々に持ち上げていって、手背の静脈の膨張がどの高さで消えるかを確認する。
  5.  胸骨角より上に上げても手背の静脈が膨張したままであれば中心静脈圧が高い可能性がある。

・・・って感じ。」

 

後輩

「こっちのが楽じゃないですか」

 

ヌゥ

「まぁね」

 

後輩

「あ、でも手背の高さが胸骨角を超えたかどうかの判断がちょっと距離があって難しそうですね」

 

ヌゥ

「ふふふ、そう言われると思ってさらに別の方法があります。」

 

後輩

「わ〜、さすが〜(棒読み)」

 

ヌゥ

「もっと喜んでくれるかと思ったのに……

  1. まず仰臥位からベッドを30度ギャッジアップさせて患者の腕を身体の側面に置く。
  2. その状態で手背の静脈を観察する。
  3. 手背の静脈が虚脱してる場合は中心静脈圧は低いか正常と判断。
  4. 静脈が膨張していたらその腕を検者が患者の胸骨角の上に置く。置いてある間も手背の静脈が膨張していれば中心静脈圧が高い可能性がある。

・・・って感じ」

 

後輩

寝てもらった後に30度ギャッジアップして胸に手を当ててあげれば良いんですか?めちゃ楽ですね」

 

ヌゥ

「これをアンセムサインと言います」

 

後輩

「あんせむ?なんでですか?」

 

ヌゥ

「アンセムって国歌とか賛歌とかって意味があるんだけど、スポーツとかで国歌斉唱するとき胸に手を当てるじゃない?」

 

後輩

「・・・はぁ」

 

ヌゥ

「それとポーズが似てるから、アンセムサイン」

 

後輩

「・・・」

 

ヌゥ

「・・・」

 

後輩

「・・・」

 

ヌゥ

「・・・え?私が言い出したわけじゃ無いのよ?」

 

参考文献

Non-Invasive Bedside Assessment of Central Venous Pressure: Scanning into the Future