中心静脈圧確認してみようぜ!(呼吸苦を発見?③)
中心静脈圧
基本情報
中心静脈圧は基本的には右室の拡張期圧と同じである。
中心静脈圧は心機能および右心系の血行動態の重要な臨床指標になる。
中心静脈圧が正常であれば、頸静脈は仰臥位では十分に拡張し、立位では完全に虚脱して見える。
右心系の拡張期圧を上昇させる疾患(左心系の心疾患、肺疾患など)はすべて中心静脈圧を上昇させ、頚静脈が目立ってみえる。
中心静脈圧の測定には、心臓から直線的な位置にある右頸部の静脈で実施するのが望ましい。
患者の体位は仰臥位と座位の間で(ファーラー位など)見やすい角度にする。
中心静脈圧上昇の定義
内頚静脈の上端が胸骨角よりも3cm以上上にある
右心房の位置からの距離で言うと……
胸骨角から右心房までは垂直距離で5cm程度。頚静脈の上端から胸骨角までの距離が3cm以上の場合、右心房から頚静脈上端までの距離は5cm+3cm以上=8cm以上となる。
つまり右心房から頚静脈上端までの距離が8cm以上だと中心静脈圧の上昇と定義される。
中心静脈圧が上昇していたら
腹水や浮腫の患者に中心静脈圧の上昇が見られれば心肺疾患を、正常ならば腎臓や肝臓などそのほかの疾患を疑う。
狭心症や呼吸困難を症状とする患者に中心静脈圧上昇の所見があれば、左房圧の上昇と駆出率の低下の可能性が上がる。
持続的な胸痛のある患者に静脈圧の上昇が見られれば心筋梗塞の可能性が上がる。
どこで確認するの?
内頸静脈と教科書的には言われているが、認識しにくいため外頸静脈でも代用出来るとされる。
裏技としては手背の静脈から静脈圧の予測をすることも可能である。
※やり方はYouTubeなどで実際の人間の動画を見た方が実践に活かせる。
いくつか挙げておきますのでご自身でも調べてみてください。
基本は内頸静脈・・・でも少し難しいのでとりあえずは・・・。 https://youtu.be/YfACLlCEvRQ @YouTubeより
Examination of the jugular venous pulse / JVP https://youtu.be/lBPvJpaQWC4 @YouTubeより
Jugular Venous Distension Example https://youtu.be/wD855nTdnmo @YouTubeより
ちなみに論文ではこちらが個人的に一番まとまっていると思いました。↓↓↓
中心静脈圧の非侵襲的な評価:頸静脈、末梢静脈、エコー
Non-Invasive Bedside Assessment of Central Venous Pressure: Scanning into the Future
参考文献