バイタル評価 循環⑤
血圧の低下は、いわゆるショックと言われ恐れられています。しかし、ショックの正確な定義は血圧の低下ではなく
「全身の細胞レベルでの酸素供給不足の状態。特に重要臓器(脳と心臓重要臓器)に酸素が送られない状態」
を言います。なので、血圧が低下していなくても酸素供給不足があればショックと言えます。
ショックには種類と特徴的な兆候があります。
4つと言われていたり5つと言われていたりしますが、自分が把握しやすい方法で認識しておいてください。
例①
S:Septic, 敗血症
Sinkeigensei 神経原性 脊髄性
H:Hypovolume 低循環、出血 (冷たい)
O:Obstructive 閉塞性→緊張性気胸 心タンポナーデ
C:Cardiogenic 心原性
K:Anaphylactic アナフィラキシー
(※頭文字を上から読むと「SHOCK(A)」になる。と教わったが、K(A)って何?)
例②
⑴循環量低下
小脈圧 、頸静脈虚脱
⑵閉塞性
小脈圧、頸静脈怒張
⑶心原性
徐脈 、末梢冷感
⑷神経原性 アナフィラキシー
徐脈、末梢温感
⑸敗血症
発熱、感染兆候、末梢温感
ここで脈圧がでてきますが、すべてのショックに小脈圧が存在するわけでは無さそうです。
<小脈圧 ≦ 収縮期血圧/4>
経験的に敗血症と出血に出会う事が多いですが、そもそも小脈圧の患者がいたかなというような認識です。
しかし、私自身が所見のひとつとして小脈圧を認識していなかったせいかもしれないので所見の一つとしては知っておいて良いのではないかと思います。
と言うか、脈圧(拡張期血圧も)に注目しない看護師が多いので慣れるまではいちいち意識して考えるのもいいと思います。
ちなみに大脈圧、小脈圧は前回紹介した書籍、サイトに記載してあります。
本日の学び
血圧低値がショックではない。
自分なりのショックの種類の把握をしよう。
参考文献、サイト
『バイタルサインからの臨床診断』
『Clinical physiology of vital signs』