循環評価しようぜ⑥
まつげ
「先輩が血圧を目の敵にしてるのはわかりました」
あご
「いや、誰も目の敵にはしてないわよ?」
まつげ
「え?さっき文句ばっかり言ってたじゃないですか?」
あご
「いや、違う違う。血圧でしか患者を評価しようとしない人にいい感情が持てないだけよ?私、血圧の拍動聞くの好きだもの」
まつげ
「うぉ、若干キモい」
あご
「触覚でも聴覚でも拍動感じられるなんて幸せよね」
まつげ
「私も生理食塩水に興奮します」
あご
「なんのカミングアウト?べつにフェチシズム公開の回じゃないわよ?」
まつげ
「でも、呼吸と循環合わせたら5項目ずつだから10項目評価しないとじゃないですか?少し時間かかりますよね」
あご
「まぁ、確かに簡単とは言わないけど。でも、全例にやるわけじゃないのよ?まず第一印象で引っ掛けた患者に第一評価はやるわけだから」
まつげ
「いや、全例なんてやってられないですよ。しかも、引っ掛かった患者にはやるってことですよね?大変ですね」
あご
「ちなみにこういう評価ができるようになればもっと説得力ある報告が先生にできるわ」
まつげ
「あ、そういえば今回は先生が訪室してくるの早かったですよね?脅かしたとか言ってましたけど……」
あご
「まぁ、脅かしたというか知ってる知識を使ってプレゼンしたというか……。体動で容易に上がる心拍、やや高い拡張期血圧、トイレまでの距離を動いているとかを踏まえて心配だけどこのまま様子見でもいいですか?って」
まつげ
「はぁ、なんか先輩って医師に対してもウザいですね」
あご
「え?ウザい?っていうか医師に対してってことは他に対してもウザいって思われてるの私?」
まつげ
「え?有名ですよ?」
あご
「知りたくなかった!まぁ、そのおかげで早めに患者対応できたんだからいいじゃない」
まつげ
「まぁ確かに」
あご
「それにPEARSの項目に沿って評価してみて、異常があったらそこに対しての報告をするようにすれば医師の対応にも繋がってくれるわよ?」
まつげ
「なるほど、自然と異常があったらヤバめな情報が集まるわけですね?」
あご
「そうそう、「頻脈で橈骨の触れが弱くて末梢冷えてて……」くらいで血圧報告される前に「ん?やばくね?」って報告された側はなると思うわ。CRTがそこまで浸透してるかはわからないけど」
まつげ
「なるほど、報告のことを考えても項目に沿った評価は便利ってことですね」
あご
「そうそう」
まつげ
「ふむふむ、PEARS宣伝しまくりですね」
あご
「宣伝とか言わない。まぁ、最近触れてなかったからね」
循環評価しようぜ 終わり