循環評価しようぜ④
あご
「あの後すぐバイタルが落ち着いて、意識レベルも戻ったから内視鏡にいったわね。ちょっとびっくりしたわ」
まつげ
「ちょっとどころじゃないですよ、パニクって頭フリーズしました。でもちょうど先生来たところで良かったですね」
あご
「本当ね、ちらっと報告しておいて良かった」
まつげ
「いつも腰が重い先生なのに、意外とフットワーク軽い先生だったんですね」
あご
「ん~・・・私が報告がてら脅かしたからかしら」
まつげ
「悪い人ですね、どんな報告すればそんなことになるんですか」
あご
「まぁそれは後で説明するとして、循環の評価の振り返りしましょうか」
まつげ
「なんか橈骨と頸動脈触ってましたね」
あご
「そうそう、末梢と中枢の循環の比較をしてみたのよ。まぁトイレまで動いていたから極端な循環障害はないかなと思っていたけど」
まつげ
「レベル低下しましたね」
あご
「そうね、ちょっと評価が甘かったかもね。末梢が冷たいって印象をもっと重要視するべきだったかな」
まつげ
「あとCPRだかCRPだか」
あご
「CRTね?capillary refill time」
まつげ
「そうそう、なんですかそれ」
あご
「末梢の循環評価のための所見よ。圧迫した後の皮膚の色の戻り方を観察してたの、あの人ちょっと遅かったわね」
まつげ
「遅いと循環が悪いってことですか?」
あご
「そうそう、3秒かかったら遅いと判断するわ」
まつげ
「へ~・・・っていうか、そういうことはその場で言ってくれませんか?恥ずかしい」
あご
「え、でも患者さんの前で訂正したら患者さんに『この看護師、なんか間違えてるけど大丈夫かな』って思われるかもしれないじゃない。そしたら今後やりにくくない?」
まつげ
「いや、その場その場で言ってもらった方が多分記憶に残りますよ」
あご
「あ、そう?じゃあ今度からそうするね?それで、これで一応PEARSの5項目は評価したわけだけど・・・」
まつげ
「心拍数、動脈触知、CRT、皮膚色・温度、血圧でしたっけ?」
あご
「そうそう」
まつげ
「でも血圧かま割と保たれてたと思ったのに、レベル低下までいくなんてあるんですね」
あご
「あなた、血圧低下まで起こったらもう身体が体調の変化を代償できなくなってるってことだからね?それを踏まえた介入しないと」
まつげ
「でも、今まで何かと血圧のこと言われてましたよ?むしろ、先輩達には血圧と体温のことしか聞かれてないくらいです」
あご
「ぐっ、確かに普段から気にしがちなのはみんなその二つだったりするわね」
まつげ
「呼吸の時もそうでしたけど、あご先輩が強調するのってみんながあんまり気にしてない数値が多いじゃないですか?なんなんですか?ひねくれてるんですか?・・・天邪鬼!」
あご
「え?何最後の、悪口なの?」
………つづく