Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

脈圧について

私が看護師になってから気になっていることの一つに


「脈圧」


があります。


新人の頃、下血した患者の報告を医師にしていて


バイタルを聞かれて報告した際に


「脈圧はどのくらい?」


と聞かれて、何故必要なのかわからない上に計算式が思い出せなかったので


「え?わかりません」


と言って怒られました。


後日、その医師から上司に話が入ったらしく


「脈圧聞かれて答えなかったんだって?」


と叱責を受けました。


「すぐに計算式を思い出せなかったので、すみません」


と、新人だった私はずっと叱られっぱなしだったのですが


「それで、あの場合は脈圧が何故必要だったのでしょう?」


と聞いたら大した答えが返ってきませんでした。(なんか最終的には自分で調べろ的なこと言われて終わった)


その経験から、


「自分が他人に不快な思いをさせられたからその原因に当たる」


「自分が怒りたいから怒る」


という人間がいて、問題解決のために他人に間違いを指摘してくれる人ばかりではないのかなと思うようになりました(笑)


さて、脈圧ですが


収縮期血圧拡張期血圧


と言う簡単な式で出されるこの数値はなんの意味があるのか


今までの知識でいうと、


収縮期血圧

⇨心臓の収縮力や全体の血液量が充分かどうか


拡張期血圧

⇨末梢血管の硬さ、冠動脈の血流


を表しています。


その差が何を表しているのか……

 

 

 

………よくわかりません。

 


以前、循環評価の回でカテコラミンリリースの記載をしましたが、カテコラミンの放出によって血圧上昇や心拍数増加などの変化があります。

↓↓↓↓↓↓
バイタル評価 循環④

https://dream-nursing.hatenadiary.jp/entry/2018/11/06/125448


カテコラミンは身体的なストレスがかかると放出されるので、カテコラミンリリースが疑われれば身体に何かが起こっていることが予測できます。


ちなみにカテコラミンリリースによって起こる生理的反応は

 

α1刺激⇨末梢血管の収縮

α2刺激⇨ナトリウム排泄、a1に拮抗作用

 


β1刺激⇨レニンアンギオテンシン系を賦活化、心収縮増大・心拍数増加

β2刺激⇨血管拡張

 


これらが複合的に起こるため様々な生理的反応を示す

『バイタルサインからの臨床診断』より文章一部改変して引用


とのことです。


症状をこれ!と予測するのは難しそうですね。


つまり、単純に脈圧が高い低いでどうこうと考えるのではなく、


収縮期血圧が高い(低い)せいで脈圧が拡大(縮小)しているのか、


拡張期血圧が低い(高い)せいで脈圧が拡大(縮小)しているのか


を踏まえた考え方が必要になってくると考えられます。


収縮期血圧が高い(脈圧高い)

⇨カテコラミンリリースの5病態を考える


②収縮期が低い(脈圧低い)

⇨ショックを考える


③拡張期が高い(脈圧が低い)

⇨出血に伴う早期症状を考える


④拡張期が低い(脈圧少し低い)

⇨敗血症やアナフィラキシー(冠動脈血流減少も?)を考える


とまぁ単純化するとこんな感じでしょうか?


実臨床はこんな単純な話ではないので参考程度にしておいてください。


④が「脈圧少し低い」になってるのは、敗血症やアナフィラキシーでは収縮期血圧が上昇していることはないと考えられるからです。


ただ、末梢血管が拡張する病態のショックなので拡張期も低くなっていることが予測されます。


そして、「末梢冷感」が出現する出血などのショックとは異なり、


末梢が温かい(末梢温感)が症状としてあげられます。


さらに、④を今まで出てきた知識で考えると、冠動脈血流も低くなると考えられるため心臓も酸欠になってくることが考えられますが


これに関しては私の今の知識ではよくわかりません。


もしかしたら、心臓は全身と比較したら小さいので、全身の血流と比較したら少ない血流でも動きは保てるのかもしれません。


この辺のことを御存知の方はご教授いただきたいです。


まぁ結論としては、


脈圧だけで何かを判断しようとするのではなく


他のバイタルサインも踏まえた考え方が必要ですね。


ちなみに、脈圧を3で割って拡張期血圧を足すと平均動脈圧です。(脈圧÷3+拡張期血圧

 

下記もご参考下さい。

バイタル評価 循環⑤

https://dream-nursing.hatenadiary.jp/entry/2018/11/08/215143