患者評価の一例
消灯後の病棟
後輩
「ヌゥさんちょっと良いですか?」
ヌゥ
「ハイハイ、なんか用?」
後輩
「患者さんのことで相談があるんですけど、〇〇さんが全然起きないんですよ」
ヌゥ
「寝てるって事?」
後輩
「いや、寝てるっていうか……声かけても起きないというか」
ヌゥ
「フムフム、何が理由で入院している人だっけ?」
後輩
「消化管出血です」
ヌゥ
「ほぅ……」
後輩
「昼間から割とすぐ眠っちゃう感じだったらしいんですけど」
ヌゥ
「ふ〜ん、バイタルは?」
後輩
「夕方の検温ではそこまで大きな変化はないんですけど、発熱が見られたので医師に報告して解熱剤使いました」
ヌゥ
「発熱……で、声かけても起きない……とりあえずバイタル再検してきますかね」
後輩
「はい」
ヌゥ
「私もちょっと他の患者さん周ってきたら一緒に評価しに行くね」
………………………………………
後輩
「ヌゥさん」
ヌゥ
「あ、どうだった?」
後輩
「相変わらず起きないですね。熱は下がってました」
ヌゥ
「そうなんだ」
後輩
「血圧は90台です。普段は110以上ありますね」
ヌゥ
「ん〜……」
後輩
「寝てるだけって可能性もありますかね?」
ヌゥ
「まぁ確かにそういう可能性もあるけど、ちょっと一緒に行こうか」
………………………………………
ヌゥ
「息はしてるね」
後輩
「あたりまえですよ。それくらいわかります」
ヌゥ
「変な呼吸音してるわけでもないけど……ちょっと早いかな?」
後輩
「あ、呼吸回数測定してませんでした」
ヌゥ
「じゃあ測った方がいいね。顔色もそんなに目立った変化は無さそう」
後輩
「少なくともドス黒青くはないですね」
ヌゥ
「ん〜……ぱっと見(第一印象)で外観(レベル低下)、呼吸(やや早い?)、皮膚色(変化なし)とすると、介入はまだしも一次評価しといた方がいいかもね」
後輩
「寝てるだけでは?」
ヌゥ
「そうね、ただ、消化管出血でレベルが低下、普段より血圧が低いとなると気になる。更に、拡張期血圧が上がってたり末梢が冷えてたりすると循環不全だから良くない」
後輩
「そう言われると、まぁ……」
ヌゥ
「じゃあ検温しましょう」
後輩
「さっき測りましたよ?」
ヌゥ
「まぁ、変化あるかもしれないし」
後輩
「かしこまり‼️」
ヌゥ
「あんた余裕あるね」
後輩
「ヌゥさん居ますし」
ヌゥ
(実はこっちは心臓バクバクで余裕は無い……)
※この症例はフィクションです