色んな血圧気にしてみようぜ:SSCG2021
さて、敗血症ガイドライン、次は平均動脈圧(MAP) に関してです
昇圧剤を使用している敗血症性ショックの成人では、 初期治療で目指す平均動脈圧(MAP)を65mmHgとする事をお勧めします。(65mmHg以上に設定しない)
平均動脈圧を65mmHg~70mmHgに設定した敗血症患者群 と80mmHg~85mmHgに設定した患者群を比較したところ 死亡率に有意差無しと出た論文や昇圧剤を使用した論文等を踏まえた提案のようです。
High versus low blood‑pressure target in patients with septic shock. N Engl J Med 370(17):1583–1593
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1312173
血圧と字がつくものが低すぎるとやや心配になってしまう様に感じる方もいるかも知れませんが、
殊、敗血症患者の平均動脈圧に関してはそういうわけでもなさそうで すね。
そもそも、平均動脈圧(MAP) に聞きなじみが無い看護師がいるかも知れませんが、 これを機に理解してしまった方が良いと思います。
……是非自身で調べてみてください。
(ちなみに私の過去ブログも参照)
ざっくり言うと心臓以外の重要臓器の血流評価指標なんですが、
平均動脈圧や乳酸値を踏まえて臓器灌流が低下していないかを判断するのに使用します。
これは通常動脈ルートが入っている場合に測定出来るものなんですが、一応近似値を計算でも出すことが出来ます
ちなみにベッドサイドモニターで血圧を測定した際も、 収縮期血圧と拡張期血圧の下に( )内MAP示されます。(機器によるのか?)
ベッドサイドモニタ PVM-4000シリーズより
また、こんな資料もネットにあります
慈恵ICU勉強会 血圧測定
http://www.jseptic.com/%20journal/48.pdf
恐ろしく興味深いですね。
たかが血圧測定、 といっても深めようとすればするほど底が無い様に感じてしま います。
様々な血圧、気にしてみてはいかがでしょうか?