循環評価しようぜ⑤
あご
「別に私はみんなの裏をかこうとか多数派が嫌いとかってずっと考えてるわけじゃないわよ?確かにちょっと判官贔屓する性格だけど」
まつげ
「判官贔屓って感じじゃなくて「私みんなの知らないことしってるんだぜすごいだろ」感が凄い」
あご
「いや、私みたいなのが知ってる知識なんて調べればすぐなんだから、そんな大したことじゃないわよ。むしろ、私みたいなのが知ってる知識をなぜみんなは知ろうとしないのか」
まつげ
「知ろうとしてないのが問題なんですかね?」
あご
「いや、だってよ?もしかしたら、看護師にとっては以前は“血圧の変化に注目する”っていうのも知られてなかったのかもしれないじゃない?でも知られるようになって割と定着した。今度は血圧よりも脈拍のほうが循環破綻前に変化することがわかったのに、元々の知識のまま働いてる人がいたらおかしいじゃない?」
まつげ
「まぁ確かに、一回業務的な事を覚えて慣れちゃうとそれで仕事がこなせちゃうからわざわざ積極的に勉強しないですかね」
あご
「そうそう、そういうのに限って新しいことしようとするととりあえず反対してくるわよね。それ看護師の仕事?とか言って」
まつげ
「ふむふむ」
あご
「そのくせ「これ今度から入院する患者さんのカルテに必ず書かなきゃいけない一文が書いてあるからみんな目を通しておいて」とか言って仕事増やすのよ?それは看護師の仕事なのかよ!!」
まつげ
「うお、怒ってる。血圧上がりますよ?どうどう」
あご
「というわけでショックの説明するわよ」
まつげ
「え?急に?」
あご
「あなたショックといえば何を思い浮かべる?」
まつげ
「ん~、やっぱり血圧低下ですかね」
あご
「そうよね、ちなみにいくつ以下だと危ないって思う?」
まつげ
「え~70か80か」
あご
「ちなみに私は血圧90以下はショックと教えられてたわ」
まつげ
「へ~・・・割と高めですね」
あご
「だから新人の時に検温してて血圧90以下の患者がいたら片っ端からスタッフコール押してたわ」
まつげ
「げ、なんて迷惑な」
あご
「だってそう教わってたんだから仕方ないじゃない。しこたま怒られたわ」
まつげ
「ふ~ん、他になんか失敗談ないですか?」
あご
「ん~・・・急速にレベル低下した患者の対光反射確認する時、医師に「ライト持ってきて」って言われたから懐中電灯持って行ったらしこたま怒られたわ」
まつげ
「いいよいいよ~、他には?」
あご
「急に元気になって・・・何?」
まつげ
「いや、先輩にもそんな頃があったんだなと」
あご
「そりゃそうでしょ、みんなそうやって育つのよ」
まつげ
「割とポンコツでしたね」
あご
「・・・は?」
………つづく