バイタルサインのポイント
バイタルサインをここでは体温、血圧、脈、呼吸、意識の5項目とします。(もし尿量が把握できる環境にいれば尿量も含めて6項目とする)
バイタルサインを把握することで、症状の激しさとバイタルサインの変化の度合いに注意し、緊急性が高いか、そうでないかの評価に繋げます。
血圧
脈圧に注目して評価。
→大脈圧ならば身体がカテコラミンリリースの状態
→小脈圧ならショックを疑う。
下記参照
カテコラミンリリースとは……
①呼吸不全 ②循環不全 ③敗血症 ④低血糖 ⑤運動・痛み・不安
※上記5項目が原因で、身体にカテコラミンが放出されている状態。
血圧の種類
収縮期血圧は高血圧、出血の評価
拡張期血圧は冠動脈、末梢血管の締まり具合の評価
平均血圧は重要臓器の評価
※注意※
ショック疑いの患者の血圧が100以上だからって安心するな(血圧100以下がショックではない)
脈拍
BT1℃上昇 → HR20以上上昇ならば敗血症示唆
血圧が低いのに脈がしっかり触れる『反跳脈』に注意(敗血症を示唆)
脈拍の実測とともに皮膚の末梢温度の評価を(冷たい?温かい?)
CRT時間をチェック(2秒以内?)
まだらの皮膚に注意(循環不全を疑う)
呼吸
呼吸回数とSPO2はセットで (換気と酸素化の違い)
20回以上をベースに(それ以上は原因検索が必要かも)
見た目の印象を大切に(苦しそう?そうでもない?変な音がする?)
意識
JCSでもGCSでもAVPUでも良いので評価(スタッフみんなで共有できる指標を)
興奮系か朦朧系を見分ける
低酸素は興奮系に傾き、高二酸化炭素は朦朧系に傾く
ファーストラウンドで声をかけた際の反応などで評価(返事は?目線が合う?反応自体が無い?)
体温
発熱が見られただけならそんなに慌てなくても良い
※骨髄抑制やレベル低下、悪寒・戦慄があれば話は別。緊急性が高い
感染を疑うならば一通り考えられる問診や所見が取れるようになっておくと医師への報告に説得力が増す
その他
スコアを覚えて自分の中の指標にする
( qSOFA、SIRS、NEWS scoreなど)
第一印象は超重要(外観・呼吸・皮膚)
「何か変」と思ったらその「何か」を探す(言葉にしてみる)
急変時の対応を整理しておく(やるべき事はやれるように)
まとめ
看護師は検査オーダー出来ないので自分たちで得られる情報と言えばバイタルサイン(あと身体所見)です。
測定するだけなら誰でも出来るので、得た情報をどう評価するかを学びましょう。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
と、ここまでを勉強会でやるんですが、
仕事終わりの勉強会なんて長くやるもんじゃないと思ってるもんで資料を簡潔にしています。
これだけ見たら簡潔すぎるかもしれませんけどね(笑)
でも、バイタル測定から何を考えるかを把握出来ずに、バイタル測定しかしていない方々もいますよね。
私も人のこと言えるほどの医療者ではありませんがね。
これを読んだ皆様は、過去の私の記事『バイタル評価 呼吸①〜⑧』『バイタル評価 循環①〜⑥』『発熱の評価』も少し参考になると思います。
主な参考文献
『バイタルサインからの臨床診断 改訂版〜豊富な症例演習で、病態を見抜く力がつく』