解熱剤:発熱の管理
新人の頃から気になっていることの一つに
発熱したときに解熱剤を使用することは是か非かというのがありました。
きっかけは、新人の頃に発熱した患者がいたので解熱剤の使用を問うと
「とくにいらないかな」
との返事があったので使用しなかったことからでした。
夜勤になって先輩に申し送るときに
「何で解熱剤使ってないの?」
と聞かれて、希望されなかったことを答えたら怒られた事があります。
”発熱の管理としては解熱剤を使用していく事が通常なのか”
と理解し、その後は発熱した患者には解熱剤を使用するようにしていました。
あるときに、発熱した患者から解熱剤はとりあえずいらないと再度言われた事があり、使った方がいいと説得している最中で
「別にそんなに頑張ってまで解熱剤使わなくてもいいよ」
と別の先輩に言われました。
もはや、ちんぷんかんぷんです。
今まで理解していた発熱の管理とは?
一応、先輩方にも聞いてみましたが答えることはバラバラで統一性がありませんでした。
なので、あまり褒められたことではないですが、その後は私も何となくで解熱剤の使用をしたりしなかったりしていました。
今ならば、自分の評価の方向性が
患者をどうするかというよりは、発熱をどうするかばかり考えていたというのがわかるのですが
当時は謎が深まるばかりでした。
これらに関する自分の考えが整理でき始めたのは、ここ数年です。
バイタル評価のことを学ぶうちに、発熱の機序がそもそもしっかり整理されていないことに気がつきました。
発熱の機序を整理していくと、免疫との関係を考えると体温が高いほうがいいのでは?
あ、でも発熱していると酸素消費量が上がるから、患者の苦痛を考えたら下げたほうがいいのか?
となっていたときに見つけた資料がこれです。
この中の『クーリングの是非は今の理解で十分か』という記事が解熱に関する考え方を教えてくれました。
まぁ具体的な答えが明確な事が公言されているわけではないのですが……
そして、解熱剤(アセトアミノフェン)に関しては
『感染症が疑われる重症患者に対する 発熱へのアセトアミノフェンの効果』
http://www.jseptic.com/nursing_paper/update/np_43.pdf
日本集中医療教育研究会ジャーナルクラブ看護師部会より
http://www.jseptic.com/journal/jreview_212.pdf
日本集中医療教育研究会ジャーナルクラブより
このようなものも資料としてあります。
こうみていくと、やはり集中治療分野は生理学的な解釈をした上での患者へのアプローチが
非常にロジカルなものだな~と感じます。
見習わないとですよね。
あぁ……昔の私にもこの資料渡したい(笑)