患者評価の振り返り②
前回からの続き
(前回は↓↓↓↓↓)
後輩
「ヌゥさんは患者の体調が悪くなかったことを素直に喜べない人なんですね」
ヌゥ
「いや、喜べないわけじゃないのよ?」
後輩
「じゃあ何をウンウン唸ってるんですか?」
ヌゥ
「PEARSは患者評価に絶大な効果を発揮するツールだとは思うけど、あくまで急変しそうな患者を早期に察知し、介入して安定化させることを目的としたものだと思うのよ」
後輩
「はぁ・・・つまり?」
ヌゥ
「つまり、PEARSで拾えない患者の状態変化もある・・・と私は考えている」
後輩
「PEARSで該当無ければ問題なしって訳でもないと」
ヌゥ
「そうそう。バイタルサインに少し気になる変化があるけど他の所見がそれほど問題なさそうな場合、積極的な介入は必要なさそうって判断になる時がある」
後輩
「今回みたいな例ですね」
ヌゥ
「もしかしたら、他の看護師だと今回の例でも介入は必要になるって判断がなされるかもしれない。ただ、実際に私は現段階では積極的な介入は必要ないと思う」
後輩
「じゃあ、問題なさそうなので朝まで様子見で“めでたしめでたし“じゃないんですか?」
ヌゥ
「ただ、発熱してることを踏まえると感染症のことも考えなければならない」
後輩
「・・・ふむ」
ヌゥ
「発熱イコール感染症って訳でもないけど、今の段階で気になるのがこの患者さんはqSOFAスコアが3項目全部陽性って所」
後輩
「qSOFA・・・なんか聞いたことありますね」
ヌゥ
「いや、貴方に何回も言ってるからねこれ。
qSOFAスコア
①呼吸数≧22回/分
②意識変容(普段と違う)
③収縮期血圧<100mmHg
→上記2項目以上が陽性の場合で敗血症を疑う」
後輩
「確かに、3つ該当してますね」
ヌゥ
「つまり、もしこれが感染症による発熱であったとしたら敗血症の可能性が考えられる」
後輩
「マジですか?やばいじゃないですか」
ヌゥ
「・・・ただ、さっきも言ったけどそれほど急速な介入が必要そうかと言われるとそうでもない」
後輩
「いや、何なんですか?どっちですか」
ヌゥ
「いや、だからウンウン唸ってるのよ。とりあえず、これから頻回な患者評価をしましょう」
後輩
「・・・え?もしかして今までの遠回しな説明ってすべてそこに着地させるためのものだったんですか?」
ヌゥ
「まぁそうね。遠回しに聞こえたかもしれない説明的な患者評価の結果、頻回な患者評価をした方が良いという結論になったわけだね」
後輩
「・・・必要でした?」
ヌゥ
「一応、必要だと思ったからここまでやってきたんだけど」
後輩
「・・・ヌゥさんって毎度こういうことやってます?」
ヌゥ
「気になる患者はね」
後輩
「・・・」
ヌゥ
「・・・」
後輩
「なんで?」
ヌゥ
「急変対応自信ないもん」
後輩
「・・・」
ヌゥ
「・・・」
※この症例はフィクションです