SIRS ②
さて、前回はSIRSを紹介しましたが、今は敗血症といえば qSOFA、 SOFAスコアがメインとなっています。
なので、看護師はSIRSという概念にも出会う機会が少ないのではないでしょうか?
私も qSOFAが出てくるまではSIRSでの患者評価をしている時期がありましたが、
今では
PEARS第一印象
→検温
→発熱あれば qSOFA
みたいな流れができてしまっているような気がします。
しかし、こんな論文を発見しました。
『Head-to-head comparison of qSOFA and SIRS criteria in predicting the mortality of infected patients in the emergency department: a meta-analysis』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6042435/
救急部での患者に対して使用した qSOFAとSIRSを比較している研究なんですが、
結果としては、
qSOFAは特異度が高い
SIRSは感度が高い
みたいなことが書いてあります。
qSOFAは陽性になればかなり敗血症っぽいけど、陰性でも違うとは言い切れんで
SIRSは陰性になればかなり敗血症否定できるっぽいけど、陽性でも敗血症じゃない事があるで
って事です。
確かに、普段SIRSで患者評価してるとめっちゃ引っかかるんですよね。
例えばカルテからの情報収集の段階で白血球が該当していたら、あとバイタルになんか変化があれば陽性ですし
熱が出た患者が他にバイタル変化していればほぼ陽性になります。
これを踏まえると、割とそこら中に該当患者が出現します(笑)
経験が少なく、知識も無かったという事もありますが、
qSOFAが出るまでは「敗血症か?」という事で結構神経すり減らして患者評価していた時期がありました。
qSOFAが出てからは、確かに陽性該当患者は減った感じがします。
ただ、自分が担当していた患者が後日敗血症になったことを知ると
「見逃した⁉︎」
と血の気が引く事があるので、やはり全てを qSOFAでカバーするのは難しいのでしょう。(まぁどんな検査でもそうですけど)
こんな時にSIRSでの評価をしていれば、もしかしたらもう少し見逃した患者を注意してみる事ができたかもしれない。
そんな風に感じる論文だったので、皆様にSIRSを紹介してみました。
まぁ評価項目の一つとして頭の片隅にでも置いておくといつか役にたつかもしれません。