SIRS(全身性炎症反応症候群)
今はもう脇に追いやられてしまった感のあるSIRS(全身性炎症反応症候群)ですが、
以前は、敗血症の診断に有効なものとして存在していました。
しかし、現在ではより簡便なqSOFAが出現したため、あまり日の目を見ないかもしれません。
というか、皆さんSIRSって知っていますか?
私は自分のプリセプター(最初の指導者)に感染症の事を仕込まれたため覚えさせられていましたが、
もしかしたら、あまり有名では無いのかもしれません。
一応紹介しますね。
SIRSは侵襲(細胞,組織を損傷する内因的および外因的刺激)の種類にかかわらず,サイトカインを中心とした免疫-炎症反応による非特異的な全身生体反応を把握するための臨床概念である。『日本救急医学会』より
SIRS(全身性炎症反応症候群)
体温 <36 ℃ または >38℃
脈拍 >90回/分
呼吸数 >20回/分
または PaCO2 32mmHg以下
白血球 >12,000/mm3
または<4,000/mm3
または>桿状核球(band)10%
SIRSは4項目の内、2項目以上が当てはまるとSIRSが確定となります。
項目が4つなので活用しやすそうではありますが、
項目の一つに採血が必要な白血球の上昇/低下があります。
よって、qSOFAとは異なり、ベッドサイドですべてが完結する訳ではありません。
そう考えると、qSOFAは看護師の立場からすると実践しやすいですよね。
以前は、感染によってSIRSが引き起こされていると判断した場合はそれを敗血症とする、と考えられていました。
ただ、以前のSIRS・菌血症・敗血症の考え方は少し複雑だったような気がします。
こんな図が良く使用されていました。
(Wikipediaより)
これを見てすぐに敗血症とSIRSと菌血症等の関係性がわかる人はすごいなあと思います。
私はこれを読み解けずに、プリセプターに解説してもらいました。
そう考えると、以前紹介した2016年の敗血症ガイドラインでは診断までの道筋をだいぶすっきりさせた様な印象がありますね。
さて、今では敗血症のガイドラインの前面に出てこなくなったSIRSをなぜ紹介したのか?
次回はこれについて書いていきます。