認識のズレ
基本的に患者の体調の変化に対して、看護師は対症療法しかできない。
これは医師の指示の元、看護師が医療的処置をする ことを踏まえれば仕方ないことである。
逆に言えば、事前にバイタルサインの変動に対する医師の指示があれば看護師はなにかしら動ける。
ただ、これは「医師の指示が無ければ動かなくて良い」と同じ意味では無い。
医師であっても、全ての状況に対応出来るであろう指示を事前に全て入力しておく事は不可能である。
ここをよく考えて欲しい。
指示が無いなら貰えば良い。
医師は必要な事だと感じれば、(タイミングにもよるかもしれないが)なんの抵抗もなく指示をくれるだろう。
指示が無い事は、看護師がそのことに無関心で良いことにはならない。
基本的なバイタルサインに関する指示が無いのは、患者が安定しているからという理由もあるだろうし、
バイタルサインの異常なら報告がくるだろうという認識もあるのかもしれない。
ここの認識が医師と看護師の間でズレていると大変不幸な事になる。
所謂、
「何かあったら連絡して」
の「何か」って何?問題である。
この「何か」はそれぞれの職場特有のものもあるだろう。
それは自分の職場に合わせた共通認識の認識が必要だが、
殊、バイタルサインに関しては医師や看護師それぞれが
「そのくらいわかるだろう」
という認識でいることで、ズレに気づかなかったりする。
意外とバイタルサインに対する認識のズレはある。
報告して欲しいタイミングで報告がこない。
報告が必要だと考えて報告したが、特に必要なかった。
などは実際によくある例だろう。
一度、医師と看護師との間にズレがないかの確認をするのも必要かもしれない。
職場のスタッフが同じ方向を向いて仕事をするためにも、
患者に不幸が起きないためにも。