Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

いつか会うかなアナフィラキシー

アレルギーの中で怖いものと言えばもちろんアナフィラキシーですが、

 

皆さんはアナフィラキシーの患者に直面したことがありますか?

 

私は最初の職場では一回も無かったのですが、

 

職場を移動してから割と多めに直面しております。

 

ちなみに輸血を取り扱う機会が多いのですが、輸血のアレルギーではそれほど大きな症状を体験したことはありません。

 

せいぜい、「熱が出た」「皮疹が出てかゆい」程度です。

 

しかし、抗生剤関連は何回か重篤なものを経験しています。

 

これに関しては最初っから重症になって速攻でアドレナリンを筋注した例もあれば、

 

最初はそれほど強い症状では無かったけれども、徐々に重症になっていったものもあります。

 

また、医師が患者を診て自分で超速でアドレナリン筋注した例もあれば、

 

私が「アナフィラキシーが考えられるからアドレナリン投与しないと危ないと思う」と提案して受け入れてもらえた例もあります。

 

看護師がアナフィラキシーを診断するのは不可能ですが、

 

アナフィラキシーを疑うことと、それに対する対応に関しては知っておいた方が良いと思います。

 

特に抗生剤を投与するのは看護師です。

 

どういう所に注意が必要か、どんな症状が重症を表すのか、その後の介入はどんなことが必要なのか

 

これらが理解できていると、少し先を見据えた行動が出来ます。

 

手持ちのタラスコンには米国のアレルギー研究所、アナフィラキシーネットワークからの情報が載っています。

 

以下の3項目のうちいずれか1つを満たす場合はアナフィラキシー

①    急性発症の皮膚・粘膜症状+呼吸窮迫or血圧低下もしくは臓器障害がある

 

②    アレルゲン疑いに暴露後、すみやかに以下の2項目以上の症状がある

・皮膚粘膜症状

・呼吸窮迫

・血圧低値もしくは臓器障害

・遅延する消化器症状

 

③    既知のアレルゲンに暴露後に数分から数時間で起こる血圧低下

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(もうボロボロ……)

 

日本のアレルギー学会も似たような指標だったと思いますので確認してみてください。

 

アナフィラキシー|一般社団法人日本アレルギー学会

 

アナフィラキシーの介入としてはなんと言ってもアドレナリン投与がポイントになります。

 

いきなりアドレナリンと聞くと投与をするのはちょっと躊躇するかもしれません(もしかしたら医師もそうなのか?)

 

しかし、アナフィラキシーになってしまうとみるみる症状が重くなっていきますので、

 

一次評価の際にABCのどこかに介入が必要な症状が出現していたら躊躇せずに提案してください。(看護師は指示は出せないし勝手に投与も出来ませんよ?提案してみてください)

 

投与経路はどうですか?

 

了解していますか?

 

アドレナリン”筋注“ですよ?

 

静注じゃありませんよ?

 

筋注場所はどこにしますか?

 

いつも筋注やりがちな上腕にやりますか?

 

いいえ、上腕よりも大腿部外側のほうが血中濃度が上がりやすいので、筋注する場所は“大腿部外側”です。

 

確か血流が豊富だから血中濃度が上がりやすいんだったかな・・・?(うろ覚え)

 

そして、投与量はどのくらいですか?

 

・・・0.3mg~0.5mgです!

 

もうアドレナリン(ボスミン)はシリンジに吸われているタイプのものが多いと思いますが、

 

自分の施設のアドレナリンは規定がどうなっているかを確認して、

 

もしアナフィラキシーが起こったら、ウチのこのアドレナリンシリンジをこうすると0.3mgの量になって・・・

 

のようにシミュレーションしてみましょう。

 

いつか役に立つ日が来ます。

 

えぇ、来ますとも(゚∀゚)