後輩からの質問
後輩
「先輩って身体所見とか得意じゃないですか?
ヌゥ
「得意というわけではないけど、まぁ勉強はしてるわね」
後輩
「この間、廊下歩いてたら病室からすごい喘鳴が聞こえる患者がいたんですよ。自覚的な呼吸苦は軽度ですが呼吸が荒くて」
ヌゥ
「ほうほう、廊下まで聞こえるんじゃ気になるね。患者評価したいわな」
後輩
「それで、他の先輩に相談したら溢水じゃないか?って言われて」
ヌゥ
「なんで?喘鳴だけで?」
後輩
「いや、喘鳴だけあったわけではないんですけど。先生も溢水疑いと言ってたんですよ」
ヌゥ
「フムフム」
後輩
「溢水ってつまり身体に水が溜まってるって事ですよね?」
ヌゥ
「そだね」
後輩
「うっ血性心不全ってことですか?」
ヌゥ
「そう考えることが多いね」
後輩
「ってことは静脈圧が強くて肺に水が漏れ出してくるってことですか?」
ヌゥ
「ん〜……そう……かな?」
後輩
「じゃあ肺からは水泡音がするってことですか?」
ヌゥ
「その可能性はある」
後輩
「水っぽいってことは喘鳴も聞かれますかね?
ヌゥ
「そうだね。心不全だと聞こえることがあるね」
後輩
「あとは浮腫も見られますよね??」
ヌゥ
「血管内に水分が多すぎて漏れ出てくると浮腫になって現れるね」
後輩
「あとは何かあります?」
ヌゥ
「ん〜、例えば起坐呼吸の有無の確認とか?後は夜間に呼吸苦が有るか無いか?」
後輩
「起坐呼吸っていわゆるギャッジアップしてると呼吸が楽かどうかってことですよね?」
ヌゥ
「そうそう」
後輩
「夜間の呼吸苦はなんでですか?」
ヌゥ
「完全に臥位になると、座ってたり立ってたりするよりも重力の関係で下肢の静脈が心臓に戻りやすくなるじゃない?」
後輩
「はい」
ヌゥ
「そうすると、肺に入ってくる血流が増加するよね?そしたら、ただでさえ血液の流れが滞っている肺にさらに血液が入ってくるから静脈圧が上がる。すると、水分がまた漏れ出す。肺が水っぽくなる。呼吸苦出てくる」
後輩
「フムフム、あとは?」
ヌゥ
「……っていうかどうしたの急に?」
後輩
「いや、別に?他は何かありますか?」
ヌゥ
「いや、ちょっと待ってよ。今思いつくのはこの辺だから、あとは調べてくるから待ってて」
後輩
「よろしくお願いします」