呼吸回数って何に役立ってるの?②
ヌゥ
「わかった?」
後輩
「何がですか?」
ヌゥ
「患者評価で呼吸回数の測定をどう活用するかについてよ」
後輩
「・・・いや、何も聞いてませんけど?」
ヌゥ
「え?貴方私のツイッターのフォローしてないの?」
後輩
「知りませんよ。なんで職場のスタッフはみんな自分のフォロワーだと思ってるんですか?」
ヌゥ
「そうなれば勉強会の資料提供とかわざわざ私が何かしなくても勝手に見てくれるかなと思って」
後輩
「プライベートでもそんなこと考えてるんですか?病気ですよ」
ヌゥ
「趣味ね」
後輩
「・・・それで?何を呟いてたんですか?」
ヌゥ
「ああ、いや、呼吸回数をどういう風に患者評価に活用したら良いかわからないとか抜かしやがってたじゃない?」
後輩
「口悪いですね。確かに呼吸回数測定する癖はなんとなく付いてきた気がしますけど、これをどう役に立てれば良いのかはちょっと・・・」
ヌゥ
「そうそう、だからちょっと頻呼吸だと何が考えられるかを呟いてたのよ」
後輩
「・・・なんで私に直接言わないんですか?」
ヌゥ
「いや、ほら“イイね”ってヤツ欲しいじゃない?」
後輩
「意外ですね。そういうの興味ないかと思ってました」
ヌゥ
「あらそう?人にポジティブ反応してもらえるのうれしいじゃない?」
後輩
「なるほど・・・イイね!」
ヌゥ
「何?突然」
後輩
「ポジティブな反応です」
ヌゥ
「・・・さて、患者評価で呼吸回数をどう活かすかって話だけど」
後輩
「頻呼吸だと患者に体調悪化が起こっているかもしれないから注意するって感じの趣旨でしたよね」
ヌゥ
「そうそう、慣れない内は単純に回数で区切って評価するのも良いかもって言ったかしらね?」
後輩
「qSOFAとかSIRSとかでしたっけ?」
ヌゥ
「そうそう、その辺は呼吸回数で患者評価が出来る指標の代表的なものとして言ったかしらね?あとNEWSスコアね」
後輩
「なんとなく覚えています」
ヌゥ
「それで、ここからちょっと踏み込んでみるとまた患者評価に幅が出てきたりする訳よ」
後輩
「はぁ・・・」
ヌゥ
「例えば、頻呼吸を見ると呼吸器系が問題って考えられがちだけど、実はそれ以外にも頻呼吸は出現するわけで」
後輩
「ん?・・・そんなのあります?」
ヌゥ
「そうね、頻呼吸の原因は
①低酸素(酸素↓)、
②高二酸化炭素(CO2↑)、
③代謝性アシドーシスの代償、
④中枢神経の興奮が考えられる」
後輩
「うお、一気にめんどくさくなった」
ヌゥ
「まぁまぁ、簡単に言うと
①身体で必要な酸素量が増えたから呼吸回数を増やして取り込む量を増やす
②身体に不必要な二酸化炭素が増えたから呼吸回数を増やして吐き出す量を増やす
③身体が酸性に傾いたからバランスをとるために二酸化炭素を吐き出す量を増やす
④興奮してるから交感神経が優位になって単純に呼吸が増える
って感じかしらね」
後輩
「おぉ・・・さっきよりなんとなくわかる」
ヌゥ
「もっと言うと、①の酸素化の問題はいろんなもので構成されていて、血液ガスでわかるものもあれば、バイタルで予測が付くものもある」
後輩
「血液ガス・・・」
ヌゥ
「極論、バイタルサインと血液ガスをしっかり評価できれば患者評価にかなり役立つ」
後輩
「いや、血液ガスはちょっと……」
ヌゥ
「最初から全部理解する必要は無いけど“頻呼吸だと血液ガスで何がわかるのか”とか狭い範囲から理解していくと徐々にわかる範囲が増えるかもね」
後輩
「なんちゃら性なんちゃらーシス」
ヌゥ
「そうそう」
後輩
「あと、なんちゃら性なんちゃらーシス」
ヌゥ
「……それ一緒じゃない?」
参考文献
“頻呼吸の4病態”について
『レジデントノート 血液ガスを各科でフレンドリーに使いこなす』
レジデントノート 2018年7月 Vol.20 No.6 血液ガスを各科でフレンドリーに使いこなす!〜得られた値をどう読むか?病態を掴みとるためのコツをベストティーチャーが教えます!
- 発売日: 2018/06/11
- メディア: 単行本