状態変化から急変対応の最低限のラインってどこ?②
さて、前回の内容の患者評価の情報提供をスタッフにしたところ、
「脈拍の有無でACLS or ABCDEアプローチの二択に分ける必要があるのか?」
という質問がありました。(ACLSだけで良いのでは? という意味)
個人的には、このABCDEアプローチの先こそが一般病棟看護師 に必要な患者評価の情報だと考えていたのですが、
他のスタッフにとっては患者の状態悪化=ACLSが必要な状況と いうような認識だったのでそこにお互い齟齬があったようでした。
患者の状態悪化は心停止~ 痛みの訴えといったものまで幅広いものを指しており、
それに対する看護師の必要な介入を識別するための情報収集ツール兼行動のカンペみたいなものという説明をしたのですが、
あまりピンときてもらえずでした。
「患者の状態悪化とか急変とかはACLS周りの知識があれば十分」という認識なのかも知れません。
ACLSはむしろ心停止してからじゃないと役に立たない( 言い過ぎ?)ので、 その手前のツールの方が一般病棟看護師には需要があるんじゃないかと考えた末の情報提供でしたが、
スタッフ間の患者評価の認識の差は考えていたよりも大きいなという印象を抱きました。
特に「医師が持つような知識まで看護師が持つ必要はあるのか?」
という根強い意見があったので、
「 患者がやばいかやばくないかを看護師が判断出来れば医師への報告 も遅れることが無くなるのではないか? その判断基準のツールとして活用してもらえれば」
という説明をしました。
しかし「RRT(Rapid Response System) への報告基準もあるのにこれを活用する必要があるのか?RRTで 十分ではないか」との意見があったので、
「RRTの基準と矛盾するものでは無いので、 可能なら一緒に活用してくだされば良いのではないか」
と説明しました。
すると「 こういうのを患者評価で実施すると決定事項のようにしてしまうと 、 逆にこれ以外の情報を取らないという思考停止になってしまわない か?」との意見があったので
「確かにそうなってしまう可能性はゼロではないが、 その理屈で言うとRRTの報告基準に対しても同じ事が言えるので RRTの基準を受容するのに今回のABCDEアプローチを受容し ないのは何故なのか?」
と言う質問をしたところで、上司からストップがかかり、 後日に議論が持ち越されました。
ん~・・・ここまで言われて、 果たしてこの情報提供に何か意味があるのかを考えたくなりました (笑)