Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

多剤耐性菌にも勿論注意!:SSCG2021

Surviving sepsis campaign: international guidelines for management of sepsis and septic shock 2021 | SpringerLink]

SSCG2021続き

 

19. For adults with sepsis or septic shock and high risk for multidrug resistant (MDR) organisms, we suggest using two antimicrobials with gram‑negative coverage for empiric treatment over one gram‑negative agent.

 

20. For adults with sepsis or septic shock and low risk for MDR organisms, we suggest against using two Gram‑negative agents for empiric treatment, as compared to one Gram‑negative agent.

 

21. For adults with sepsis or septic shock, we suggest against using double gram‑negative coverage once the causative pathogen and the susceptibilities are known.

 

19.敗血症または敗血症性ショックがあり、多剤耐性(MDR) 菌のリスクが高い成人の場合、グラム陰性菌をカバーする1種類の 抗菌薬よりも経験的治療にグラム陰性菌をカバーする2種類の抗菌 薬を使用することをお勧めします。

 

20.敗血症または敗血症性ショックがあり、MDR菌のリスクが 低い成人の場合、1つ抗菌薬と比較して、経験的治療に2種類のグ ラム陰性菌への抗菌薬を使用しないことをお勧めします。

 

21.敗血症または敗血症性ショックの成人の場合、 原因となる病原体と感受性がわかったら、2種類のグラム陰性菌へ の抗菌薬を使用しないことをお勧めします。( 病原体と感受性を踏まえた抗菌薬に変更する)

 

久しぶりですが、SSCG2021の続きです。

 

世界では前回も少し触れたとおり抗菌薬に対する耐性菌が問題にな っています。

 

なので闇雲に広域抗菌薬を使用することは、 感染症治療に関してはあまり褒められたものではありません。

 

しかし、敗血症は時間との勝負であり、 抗菌薬の投与の遅れが患者の転帰に悪い結果を与えることが多々あ ります。

 

そこで提言19になります。

 

異なる作用機序の抗菌薬の投与を勧めるということだと思います。

 

まだ、 原因菌が確定されない状況ではエンピリックな治療を開始し更に、 耐性菌が原因である事も考慮して、異なる作用機序の抗菌薬を2種 類投与することを検討する。

 

もちろん、耐性菌が原因菌になっているリスクが低いと判断すれば 2種類使用せずとも良い(提言20)

 

また、感受性と原因菌がわかればそれを踏まえた抗菌薬に変更を( 提言21)

 

という、 結局感染症の基本的な考え方を再確認して治療に当たるというよう なことが述べられているだけのような気もします。

 

しかし、グラム陰性桿菌の種類の広域抗菌薬でカバーすることは、 敗血症性ショックを伴う耐性菌のリスクが高い患者にとって重要な ようです。

 

何事もメリハリが大切なんですね。