Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

MRSAに注意?:SSCG2021

Surviving sepsis campaign: international guidelines for management of sepsis and septic shock 2021 | SpringerLink]

SSCG2021続き

17. For adults with sepsis or septic shock at high risk of methicillin resist‑ ant staph aureus (MRSA), we recommend using empiric antimicrobials with MRSA coverage over using antimicrobials without MRSA coverage Best Practice statement.

18. For adults with sepsis or septic shock at low risk of methicillin resistant staph aureus (MRSA), we suggest against using empiric antimicrobials with MRSA coverage, as compared with using antimicrobials without MRSA coverage

17.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA) のリスクが高い敗血症または敗血症性ショックの成人には、MRS Aの適用範囲がない抗菌薬の使用よりも、MRSAの適用範囲があ る経験的抗菌薬の使用をお勧めします。

18.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA) のリスクが低い敗血症または敗血症性ショックの成人には、MRS Aの適用範囲がない抗菌薬を使用する場合と比較して、MRSAの 適用範囲がある経験的抗菌薬の使用をお勧めします。

 

さて、みんな大好きMRSAの話題です。

 

とは言っても、内容としては感染症・ 抗菌薬選択の基本的な内容とほぼ変化はありません。

 

MRSAが原因で敗血症になっていそうな患者はMRSAに有効な 抗菌薬を使う。

MRSAが原因では無さそうだったらMRSAに有効な抗菌薬では 無く、他の適応がありそうな抗菌薬を使う

 

・・・普通のこと言ってる気がしますよね?

 

普通のこと言ってるんです(笑)

 

感染が起きている臓器(のことは書かれていませんが) と感染を起こしている微生物を把握してそれに効く抗菌薬を選択して治療する。

 

呼吸器感染だからカルバペネム、泌尿器感染だからニューキノロン、 という考え方はしません。

 

……なんて医師のようなことを言ってみましたが、 正直看護師は抗菌薬を選択して指示しないのでここの意識は低いかも知れません。

 

とはいえ、MRSAに関してはMRSAが敗血症の原因菌になるリスクの高い患者の要因がいくつかあるので、

 

看護師でもそれを認識しておくと「あ、VCM(バンコマイシン) 投与になりそう」 というような予測だった動きが出来るかも知れません。

 

SSCG2021ではMRSAの危険因子に、

MRSA感染の既往歴
→身体に常在してるかも

最近の抗菌薬投与
→抗生剤の投与で耐性化したかも

再発性皮膚感染症または慢性創傷の既往
→皮膚にいる黄色ブドウ球菌が耐性化しているかも

侵襲性デバイスの存在
→皮膚からデバイス伝って侵入したかも

血液透析
→シャントなら穿刺で侵入、 デバイスで透析中ならデバイスから侵入

最近の入院および病気の重症度
→院内でもらっちゃったかも
等を挙げています。

 

チェックチェックです。

 

ちなみに、 バンコマイシン血中濃度を測定して投与量を調整する抗菌薬なの で、

 

投与時間は統一して、 血中濃度採血の時間もしっかり確認して採取してくださいね。