Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

プロカルシトニンって聞いたことある?

Surviving sepsis campaign: international guidelines for management of sepsis and septic shock 2021 | SpringerLink]

SSCG2021続き

16. For adults with suspected sepsis or septic shock, we suggest against using procalcitonin plus clinical evaluation to decide when to start antimicrobials, as compared to clinical evaluation alone

16.敗血症、敗血症性ショックが疑われる成人の場合、 臨床症状のみの評価と比較してプロカルシトニンと臨床症状の評価 を併用して抗菌薬を開始する時期を決定することはお勧めしません 。

 

敗血症に対しては抗生剤を早期に投与することが死亡率に関わることを学びましたが、そこにに対するアプローチとして

 

感染症で特異的に上昇するプロカルシトニンというバイオマーカーを臨床症状と併用すれば、

 

敗血症の診断成功率がぐぐっと上がり、 更に抗菌薬の使用量もバッチリ適正量になるんじゃないの?

 

という考え方ですね。

 

残念ながらあまりお進めされない考えのようです。

 

理由としては、 プロカルシトニンの値を参考にして抗菌薬治療を決定した患者も参考にしなかった患者も死亡率やICU入室期間、 抗菌薬使用量等に差が出なかったためとされています。

 

加えて、こんな興味深い記事があります。

『プロカルシトニンを活用するか』

プロカルシトニン活用するか|臨床賛否両論 - m3.comの医療コラム

 

医師の間でも賛否が分かれているみたいですね。

 

理論的には便利そうなマーカーなんですが・・・

 

「 この検査のこの値だけ見ていればバシッと感染症がわかってきっちりかっちり必要量だけで治療が完了する」

 

……なんてものはやはり現時点では存在しないと言うことなのでしょう 。

 

なので、 やはり複数の情報を統合して患者を評価する必要があります。

 

我々看護師は検査を自分たちでオーダーできない分、 与えられた情報・ もしくは自分たちで取得できる情報で患者評価をしていく必要があ ります。

 

もちろん近くに医師がいるならすぐに検査につなげられますが、

 

その“すぐに”検査に繋ぐ必要性がありそうかどうかを判断するにも、

 

我々看護師は、 患者評価の基本となるバイタルサインと身体所見に対する解釈を磨いていくことが重要なのではないでしょうか?

 

ちなみに私はかなり早い段階で(看護師2年目くらい?)でプロカルシトニンの存在を知っていました。

 

何故なら、その時の職場の医師がプロカルシトニンの有効性の研究をしていたからです。

 

その時は全く意味も分からず協力させられていましたが、

 

今だったらもう少し良い経験に出来たのかもしれないなぁ……。