『何か変』を言語化するには患者評価のテンプレを使う
急変前の患者の状態がどのようなものだったかを分析すると
「何か変だと思った」
という表現をしている医療従事者がたまにいます。
この“何か”を突き詰めて考えてみると、
もしかしたら、呼吸の面で何かを感じたのかもしれないし、循環の面や患者との会話での反応で変だと思ったのかもしれません。
その他、服装や髪型が整っていないことやいつもやっている仕草をやっていない(例えばスマホゲーム)という部分での違和感を持ったのかもしれません。
もちろん、そういった客観的な情報では言い表せない程の本当に僅かな変化を、
看護師の経験値から“何か変”と感じただけという可能性もあります。
これは驚愕と共に尊敬する能力です。
このような能力はもっと評価されても良いとさえ思います。
この能力をすでに持っている人は、特別努力したわけではないかもしれませんし、自分なりのノウハウで鍛錬したからこそ身につけられたものかもしれません。
救急外来などで多くの患者の重症度を割り振っているようなスタッフは、(強制的に?)経験値を積むことになるのでそういった事が得意という方もいるでしょう。
では、この能力は救急外来以外では身につかないのか?
そんな事はない……と私は考えています。
(考えているだけで、自分が身についているとは思っていませんが……。)
もしも、
ん〜……この患者さん何か変だな?
という認識を自分が持った時は、この後
どこが変なんだろう?
と考えますよね?
ただ、その『どこか』を探すのに闇雲に探すよりもテンプレのようなものが決まっていた方が探しやすいです。
そのテンプレが『一次評価』『ABCD評価』と言われるようなものになります。
これを使うと、評価し忘れも防止する事が出来るので、一定の質を保った患者評価をすることに繋がります。
さらに、自分が変だと感じた部分を言語化して探す事になるので次回から同じ感覚を患者に感じたら
前と同じように、この患者さん何か変だ。
では無く
前と同じ感覚だ……という事は、前回と同じ〇〇が原因かもしれない。
と、今まで『何か』としか認識できなかった情報を言語化して認識出来るようになるかもしれません。
そして、言語化すると何が出来るようになるか?
「こんな印象が患者さんにあったら〇〇が悪化してるかもしれない」
というように、その情報を言葉で他人に伝えることが出来ます。
すると、自分だけでなく他のスタッフにも同じ状況に関する共通認識が出来るので
部署の患者評価の底上げになるかもしれません。
患者評価のテンプレは探せば色々あります。
私はPEARSで自分の看護師人生変わったと思ってるのでPEARSを使っていますが、
単純にABCD評価で患者を評価する方がやりやすいという方もいるでしょう。
まぁ、最終的には「患者を生理的な面から評価して死を避けるという」という目的に行きつくテンプレなら
ゴールはほぼ一緒です。
自分の使いやすい患者評価のテンプレを探して使ってみてはいかがでしょうか?
……
……
……
良いですか?使ってみるんですよ?
この記事読んで「へ〜、勉強になるなぁ」だ終わらないで下さいね?
PEARS?調べてみよ ⬅︎ 〇
第一印象?一回使ってみよ ⬅︎ 〇
ABCD評価?あ〜、あの急変の時によく言われるやつね ⬅︎ ❌ (ここで終わらせずに、急変以外でも使う!)
実際に業務で使ってこそ価値のあるものです。
まずは一回だけでも患者評価をする時に使ってみて下さい。
下記の記事も参考になると思います。
https://dream-nursing.hatenadiary.jp/entry/2019/03/30/143741
https://dream-nursing.hatenadiary.jp/entry/2018/11/11/112107