すぐに動ける!急変対応の基本
この本を読んで取り急ぎツイートしてみましたが、
少しまとめてみます。
まずは、なんと言っても呼吸回数の重要性が語られている事です。
これはなんとも私好み(笑)
そして、著者が重視しているのが意識状態の評価です。
どちらも共通することはなんでしょうか?
……
……
……
……答えは「自分で意識して評価しなければ変化を察知するのが難しい」という事です。
正直、脈拍や血圧は
「脈拍140?速くね?」
「血圧80ってヤバいやん」
というようにある程度数値で区切ってしまえば評価したこと(つもり)になれます。
(いや、まぁもちろんもっと速い段階で評価と介入が出来るようになっていた方が良いですが)
しかし、呼吸と意識は
「呼吸が早いような気がするけど……まぁ元々こんな呼吸の仕方なのかな?」
「なんとなくボーッとしてるような……眠いのかな?」
と、なりがちでは無いでしょうか?
呼吸は具体的な基準値に幅があって評価しづらいし、
意識レベルに関してはJCS、GCSがあるにしても主観で評価に差が出やすいものです。
両方とも「まぁ問題ないだろう」の精神でいると都合良く解釈出来てしまいます。
注意しましょう。
何故、著者がわざわざ章立てしてある場所ではなく、目次の後の一番初めにこの二つを重視するような文章構成にしたか……
これを是非考えてみてください。
さて、次に心停止に関して語られています。
これに関してはACLSを学んでいる人はそんなに得るものがないかもしれませんが、
私が重要視したポイントは、「心停止の章で問題とされているのがPEAについて」というところです。
これは何故でしょう?
PEAは意外と正しく理解出来ていない医療者がいます。
私も以前はそうでした。
本書にも記載がありますが、
上記の波形以外で頸動脈が触れなければPEAです。
よく「同調律でも頸動脈が触れなければPEA」という説明がありますが、
そのせいで「PEAのモニター上の波形は同調律」と認識している方がいます。(私です)
ここは整理しておきましょう。
ちなみにACLSを受けていない方(特に経験年数浅め)には心停止の対応の全体像を把握するのにとてもいい内容だと思います。
いきなりACLSはちょっと、という方はこの本に目を通してみてもいいのでは?
私も以前、ACLSプロバイダーマニュアルを元にPEAについて記事を書きました。
よろしければご覧ください。
つづく……