心停止、PEAアルゴリズム
Adult Cardiac Arrest Algorithm
https://eccguidelines.heart.org/wp-content/uploads/2018/10/ACLS-Cardiac-Arrest-Algorithm-2018.png
さて、上記はPEAを紹介した時に出てきたアルゴリズムですが、
PEAの時はこのアルゴリズムでいうと右側に進んでいったのでした。
右側は電気ショックの必要無い道筋になります。
良いですか?必要無いんですよ?ちゃんと整理できてますか?
蘇生にはどのケースにも電気ショックが必要だと認識していませんか?
もしそんな認識の人がいたら、改めてここでちゃんと整理しておきましょう。
VF/pVTが電気ショックが必要(左側のアルゴリズム)
心停止/PEAが電気ショックいらない(右側のアルゴリズム)
はい、何回も繰り返しましょう!
大丈夫ですか?
さて、右側で重要なのは心停止/PEAになってしまった原因を探すというものでしたね。
以前、5H5Tを紹介しました。
原因がわかるまではひたすらCPRを実施します。
そしてリズムチェックでしっかり心電図波形と脈拍の有無を評価し、
心停止/PEAのままであれば繰り返す道筋になっています。
まぁこれを繰り返すことでもROSCする可能性は0ではないと思いますが、元凶が取り除かれない限りはROSC後も循環は維持できないことが考えられます。
これを突破するための原因検索です。
採血などの検査も必要ですが、なぜこのような状況になってしまったのかを考えることが必要です。
シミュレーションでは、「カルテか家族から情報を取る」もしくは「採血の結果を知りたい」というような発言をすればインストラクターの方が情報提供してきてくれますが、実際はそうはいきません。
自分たちで考える必要があります。
それに、もし自分の職場で急変が起こった時には人が集まっていれば
「なぜこの状態になったか?」
を必ず医師に聞かれるでしょう(原因検索が必要ですからね)
そして、(もしモニターが事前についていれば)心停止直前の心電図の波形も教えてくれと言われるかもしれません。
皆さんだったら答えられますか?
私は過去に苦い思い出がたくさんあります。
今でも明確に思い出せる失敗事例もたくさんあります。
時々ふとした瞬間(歩いてる時とか料理してる時とか)に思い出されて声を出したくなる時もあります。
くっ・・・今なら、今ならばあんな失敗は・・・。
まぁ過去にあった事は変えられないので、それを恥ずかしい過去のままとするか自分が変わるきっかけになれた体験とするかは自分次第です。
そう自分に言い聞かせてます。
話が逸れましたが、ACLSに限って言えば心停止/PEAのアルゴリズムは効果的なCPRと原因検索が最も重要な要素になります。
ちなみに、アルゴリズム上にあるアドレナリン(上記サイトからアルゴリズムを見ている場合はEpinephrine)は
効果があるとは明確には言いがたいという位置付けになります。
マニュアルにも
アドレナリンの投与はROSCおよび病院への入院率を改善するが、生存率を改善させることを示す大規模研究データがない。
と記載されています。
(この意味はご自身で考えてみてください)
なので、薬剤投与のことを考えているせいでCPRが疎かにならないように注意です。
ACLSでは「このアルゴリズム上で一番優先して行うことが必要な処置はなんだろう?」を考えて動くことができるかどうかが鍵になります。
実践で応用するにしても、まず基本的な流れを身につけましょう。
参考文献
ACLSプロバイダーマニュアル2015