ROSC後の管理
「急変対応といえばACLS」
として、一般的には考えられていますよね?
ACLSを学んでも実践ではあまり役に立つ場面が少ないとか、それ以前の介入の方が経験する機会は多いんだからそっちを勉強しろとか意見は色々あるとは思いますが、
ACLSを学んでおいて無駄なことはないでしょう。
状態の悪化は最終的には心停止に行き着くわけですから、それらの対応を学べますし、
心拍再開後の管理も学べるというのも大きいと思います。
特に、私のような一般病棟の看護師はACLSが必要になる前に患者がICU入室になってしまうことが多いので、
あまり直面する機会も学ぶ機会もありません。
だってみんな習ったことある?
能動的に動かないと学ぶ機会なんて無いよね?
まぁ「そんなの医師に任せておきなよ。どうせ指示が出るんだから」
と、言われる方もいると思いますが、
事前に何をやるかが予測できているのとできていないのでは動きに差が出ます。
というか、看護師として底辺にいる私としては心配な部分は出来るだけ事前に認識しておきたいのです。
その場で出た指示通り柔軟に動ける自信もないですし、
まぁ、基本的なアルゴリズム通りの指示が出ないとそれはそれで臨機応変に動けないんですけど……。
さて、今回は心拍再開後のことを話題にしますが、
心拍再開のことをROSCと言ったりします。
ACLSではROSC後にもアルゴリズムを適応していますが、
これに関してはABCDアプローチを考えながら動くと把握しやすいかなと思います。
ACLSのアルゴリズム通りにいくと、
まず呼吸(AB)への評価、介入を考えます。
Aに関してはBVMで有効な換気ができているかどうかを毎回評価されていると思いますので、引き続き続けていきます。さらに、挿管と波形表示呼気CO2モニターの使用も検討します。
Bに関してはSpO2の評価、過剰な換気を避ける
以上を考えて動きます。
次はCへの介入ですが、血圧<90を目指します。必要になってくるのは輸液のボーラス投与、血管収縮薬の投与です。
そして原因検索へ移ります。
アルゴリズム通りにいけば、ここで12誘導心電図を実施し心臓の評価をします。
問題あれば再灌流療法を考慮していきます。
問題なければ次はDの評価です。
命令に従えるかどうか、従えなければ体温管理を検討します。
これらの流れの後は高度な集中治療へ管理を引き継ぎます。
こうやって見ていくとほぼ、ABCDアプローチで完結できると思いませんか?
無理に新しいことを覚えようとしなくても、既存のツールの応用で対応できるのは良いですよね。
というか、今更ながら本当にABCDアプローチって汎用性がありますよね。
凄い凄い(゚∀゚)
あ、諸々の細かい目標数値はマニュアルを読んでみてくださいね。
Adult immediate Post-Cardiac Arrest Care Algorithm 2015post Aa
一応お伝えしておきますが、細かい数値や薬の量などを明記していないのはメンドくさいからというわけではない……わけでもないですが(笑)
マニュアルにしっかり目を通して欲しいからです。
確かにマニュアルからは読み取りづらい部分もいくつかあるとは思いますが、
ACLSに関してのすべての基本はマニュアルであり、テストもここから出題されます。
マニュアルには一通りしっかり目を通すようにしましょう。
前回も言ったように、
臨床ではアルゴリズムを踏まえて柔軟に
これを踏まえて動きましょう。
参考文献
ACLSプロバイダーマニュアル2015