呼吸回数測定の重要性が詰まった論文②
さて、続きからです(゚∀゚)
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呼吸回数測定の重要性が詰まった論文 - Dream-Nursing
重症度の指標としての呼吸数
1993年、Fieselmannらは、27回/分以上の呼吸数が病棟での心停止の最も重要な予測因子であることを報告した。
Subbeらは、不安定な患者では、呼吸数の相対的な変化が心拍数や収縮期血圧の変化よりもはるかに大きく、呼吸数が安定した患者とリスクのある患者を識別するより良い手段である可能性が高いことを発見した。
Goldhillらは、集中治療の専門家により評価された“呼吸数が25〜29回/分の病棟患者”の21%が病院で死亡したと報告しています。
これらの患者は95%以上の特異度で、24時間以内にイベント(心停止やICU入室など)が起こる可能性がかなり高いと言えそうだと確認されています。
この辺は、このレビュー自体が呼吸回数の重要性を強調する記事や論文によく参照される要因となる部分ですね。
一つ目のFieselmannらのものは、単純に回数で区切った危険予測の記事のように感じられますが、90年代初期に既に呼吸回数の重要性が述べてられている事に感動を覚えます。しかも、27回/分というものは現在に当てはめて考えてみてもそれ程のズレはないと考えられます(皆さんはどうですか?)
バイタルサインでの呼吸の評価といえばSpO2が代表的なものに挙げられがちですが、呼吸回数もこのような論文がある点で考えると捨てたものでもないでしょう?
パルスオキシメーターの歴史を振り返ると2000年前後に普及した(?)のではないかなと予測しているので、呼吸回数が重要である事はそれ以前からこのように述べられていたことになるのに、何故現在のような呼吸の評価はSpO2で十分という現状になってしまったのか……。
まぁ、目に見えないもの(SpO2)を数値で表示出来るというのは画期的だしなんとなく納得も出来てしまいますよね。呼吸回数だとそれを踏まえた判断をする必要もありますし……。
2つ目のSobbeらの報告も興味深いですよね。安定しているか不安定かを見極める手段として呼吸回数を挙げています。何と比較しているかというと心拍数とみんな大好き収縮期血圧です(笑)
循環動態を示すバイタルサインよりも呼吸回数の変化に着目する事で不安定な患者を早期に認識できる可能性を述べています。
ただ、勘違いしないで欲しいのは心拍数や血圧が役に立たないと言っているのではないという所です。
このブログでは呼吸回数を評価する重要性を強調していますが、呼吸回数至上主義を目指しているわけではありません。
3つ目のGoldhillらのものは、一般病棟内の患者でも呼吸回数が多ければ危険である事、呼吸回数が多いほど死亡率も上昇した事が挙げられています。頻呼吸のある患者は状態悪化の階段を素早く下っていってしまうようですね。
さて、ここを読んだだけでも呼吸回数って患者評価に重要な項目じゃないかと感じることが出来ますよね?
正直、誰かを説得するだけならここを使うだけでも割といけるんじゃないかなと考えています。
……しかし、事実だけでは人は動かない(変わらない)のです。
呼吸回数は重要だ‼️
と繰り返しているだけでは周囲の行動変容は起きないのです。
ではどうすればいいのか……
……
……
……
……誰か教えてください(笑)
つづく(予定)