Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

ざっくり血液ガス⑤

後輩

「それで、血液ガスのざっくり説明を聞いた結果、頻呼吸の4病態の“代謝性アシドーシスの代償”が酸塩基平衡の異常として認識できるって話でしたけど」

 

ヌゥ

「そうね」

 

後輩

「前々回の最後かなんかに血液ガスは結局は頻呼吸の4病態の事を再確認しただけとか言ってやがりませんでしたっけ?他の3病態は?」

 

ヌゥ

「口悪いわね。他の3病態は①低酸素、②高CO2、④呼吸中枢の興奮だったよね」

 

後輩

「はい」

 

ヌゥ

「呼吸性アルカローシスの原因としてあげられるのって低酸素、疼痛や不安などの中枢神経の興奮、感染症など」

 

後輩

「・・・つまり残りの3病態は呼吸性アルカローシスを引き起こす病態だって事ですか?」

 

ヌゥ

「それがね、①低酸素と④呼吸中枢の興奮は当てはまるんだけど、②の高CO2は呼吸性アルカローシスを表してるんじゃないのよ」

 

後輩

「・・・この嘘つきめ」

 

ヌゥ

「ひどい!②の高CO2が頻呼吸になる考え方としては……

 

呼吸回数は増えてるけど十分な量の空気の出し入れが出来ていない(肺胞低換気)

 

ってのと

 

代謝が盛んになった結果、出される代謝産物(CO2)が増えるから呼吸の回数を増やして頑張って多くなったCO2を外に出す

 

って感じ」

 

 

後輩

「・・・後者は③の代償のところで似たような話を聞いたような気がする」

 

ヌゥ

「③の代謝性アシドーシスの代償の時は、身体が酸性に傾きつつあったからCO2を吐いてバランスをとろうとしたって事ね。高CO2の場合は、単純にCO2が増えてるからそれを外に出してバランスを保とうとするって事だね」

 

後輩

「つまり……

 

代謝性アシドーシスの場合

→pHの変化が起きた結果起こる二次的な働き

 

高CO2の場合

→CO2が増えたからそれを出すという一次的な働き

 

って事ですか?」

 

ヌゥ

「すごい、冴えてるね」

 

後輩

「つまり頻呼吸の4病態(①低酸素、②高CO2、③代謝性アシドーシスの代償、④呼吸中枢の興奮)のうち

 

  • ①・④は呼吸を多くすることでCO2が減って身体が塩基(呼吸性アルカローシス)に傾いてることが予測される。
  • ②は呼吸が多くても有効な空気の入れ換えが維持できていないからCO2が溜まってることが予測される。
  • ③は身体が酸性に傾いてるからCO2を減らそうとしている事が予測される

 

って事ですか?」

 

ヌゥ

「・・・もう何も言うことはないわ」

 

後輩

「・・・で?これがなんなんですか?」

 

ヌゥ

「え?」

 

後輩

「・・・なんか役に立ちます?」

 

ヌゥ

「立つわよ」

 

後輩

「・・・どうやって?」

 

 

 

参考文献

血液ガスについて

『世界でいちばん簡単に血ガスがわかる、使いこなせる本』

 



 

『竜馬先生の血液ガス白熱講座150分』

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

  • 作者:田中 竜馬
  • 発売日: 2017/02/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

“頻呼吸の4病態”について

『レジデントノート 血液ガスを各科でフレンドリーに使いこなす』