第一印象が何故この3項目なのか? 外観
PEARSの第一印象を構成するのが何故「顔色、呼吸、意識レベルなのか。
これは最終的に人が死ぬ道筋を考えると説明できます。
今回は意識です。
「第一印象」の場合は外観と呼ばれています。
これは意識レベルだけでなく、より多くの外観から得られる情報を活用する為の表現なのではないでしょうか?
外観で注目するのは、パッと見た印象の他に刺激に対する反応とでも表現しましょうか。
訪室、声かけに対する反応
目が合うかどうか
落ち着いた会話ができるか
過度な緊張、脱力が無いか
などは評価の対象になります。
これらに対して違和感を抱いたら
患者の身体に何か異常が起きているかもしれません。
これらは脳に充分な血流があるか、酸素が行き届いているかどうかがポイントになってくると考えます。
呼吸が破綻して脳に酸素がいかない→外観に何かしらの症状が出る
循環が破綻して脳の血流が少なくなる→外観に何かしらの症状が出る
例えば、低酸素では精神的に「興奮」に傾くことが多く、
高二酸化炭素血症では「傾眠」に傾きます。
ただし、脳は意識を司る部分と生命維持の部分は分かれているので、
生命維持に関わる働きに障害が出るほどの脳の異常となると
低酸素・低血流が異常に進んだ状態
もしくは物理的に脳に異常をきたしている状態などを考えた方がいいかもしれません。
さて、この後は過去二回と同じような説明になります。
身体のどこかで低酸素、低血流になる原因があった場合、脳は頻呼吸にする・頻拍にするなどで身体の活動を安定化させようとします。
しばらくは頻呼吸・頻拍で補えるかもしれませんが、その内限界がきます。
そうすると、少ない酸素量で身体の活動を維持しなければならなくなるので重要臓器に優先的に酸素を送るようになります。
生命を維持するのに必要な部分以外は優先しないわけです。
以上が緊急性の有無を判断するPEARSの「第一印象」に外観の項目が入っている理由です。
途中からの死への道のりは過去二回の時と同じです。
ただ、冒頭でも言いましたが、外観は意識レベルだけではありません。
JCSやGCSだけで評価するのではなく、視線の動きや落ち着きのなさなど
違和感を感じたら何か異常があるのでは?と考えるように出来れば見逃しが少なくなるかもしれません。