何故第一印象がこの3項目なのか? 顔色
PEARSの第一印象を構成するのが何故「顔色、呼吸、外観」なのか。
これは最終的に人が死ぬ道筋を考えると説明できます。
例えば、出血ですが体の血液が失われていきます。
そうすると単純に必要な血液の量が少なくなるので循環が破綻しますね。
体に取り込んだ酸素も、ヘモグロビンと結合して血液の流れで運ばれていくので循環が破綻すると酸素の取り込みが問題なくても各臓器に酸素欠乏が起こります。
循環が破綻すると、身体は重要臓器に優先的に血液を送ろうとして末梢の血管を締めて細くします。
すると、今まで末梢にまで行き届いていた血液が制限されて重要臓器に流れていきます。
ただでさえ血流が少なくなって悪いのに、末梢血管が締まることで更に血流が減ります。
生命を維持するのに必要な部分以外は優先しない犠牲ようにするわけですね。
これが循環が破綻した時に顔色が青い、白いとか四肢が冷たいとか言われるようになる理由です。
これが進むと重要臓器にも血液が届かなくなる、つまり酸素が届かなくなる為にエネルギーが生み出せなくなり活動が停止します。
つまり死です。
こう考えると、第一印象で顔色が悪いと判断した時点で循環の面で既に何かしらの危険な異常が起きてそうだと考える方がいいですね。
だからこそ、患者安定化の最初のスクリーニングツールに「第一印象」としてあげられているんでしょう。
ちなみに、他にも循環を評価するものに腎臓(尿量)が挙げられていることもあります。
特に集中治療の本とかにある印象です。
体内の循環を尿量という数値であらわせるので『灌流の窓』と呼ばれていたりしますね。
もちろん、腎臓も重要臓器の一つなのでこれも血流を評価する大切な指標です。
しかし、腎臓は外側からでは評価できません。
なので、急変察知という面での循環の評価にするには少しスピーディさが足りないかなという印象です。
ただ、普段から尿量を測定する状況にあるのであれば、その情報を活かさない手はありません。
その場合は情報を組み合わせて説得力の伴った評価をしていきましょう。