失敗への認識を変える
誤解されがちなのですが、私は急変対応が嫌いです。
えぇ、もう本当に嫌いです。
慌てるとパニックになるし、自分の知識不足は浮き彫りになるし、本当に正しい処置ができたのか今迄は誰も教えてくれなかったし。
……振り返る機会あります?
最近はやっと『急変対応の振り返り』みたいなものを希望時すれば認定・専門看護師の方々がやってくれるような流れになりましたね。
世の中の流れでしょうか?凄い良い事だと思います。
ただし、「急変対応に当たった人」の振り返りに対する認識は変わっていないと思います。
自分の対応を評価される。
何が間違っていたか指摘される。
振り返りが怖いという認識のままであれば、誰も進んで自分から傷つきにはいかないでしょう。
自尊心もあると思いますし、なによりも自分が急変対応という分野を疎かにしていたという事実を突きつけられるのが嫌なのだと思います。
なので、希望する方はあまりいないのではないでしょうか?
しかし、『急変対応の振り返り』とは本当に恐怖に値する内容のものなのでしょうか?
そもそも、振り返りをやった事が無いのに無駄に怖がっていませんか?
なぜ、そんな事が起こるのでしょう?
- 今まで先輩方に指導された時の苦い思い出があるから?
- 至らない部分があったら職業としてではなく人間として否定されるような事を言われるから?
- もう急変を思い出したくないから?
まぁ、これらの理由は理解できます。
しかし、そろそろ失敗に対する認識を変えていきませんか?
私達は今まで失敗を忌避しすぎて、何が原因かを分析するという事を怠ってきすぎたのではないでしょうか?
インシデントレポートを本気で分析してますか?
ただの始末書になってませんか?
お兄様お姉様方
下にはインシデントレポート書かせるのに自分は書かないことありませんか?
他の方々
自分で同じ問題を繰り返さないために、何かできる事がないかを本気で振り返ってますか?
師長レベルの方々
インシデントの件数だけで部署の評価をしてませんか?
『失敗は成功の元』
と言われ始めてどれだけ時間が過ぎているでしょう?
相変わらず失敗は「絶対にあってはならないもの」で止まっている事が多いような気がします。
起こしてしまった後の対応については、(私も含めて)十分に学んでこれてないのでは?
私の場合、急変対応に限っていえば、
他の方と比較すると勘が鈍い……というかセンスが悪いので、経験した事を有効的に使わないと成長出来ません。
特に、『窮地を切り抜けた経験』が少ないのはかなり問題だと思っています。
なので、今になってその場の感情(後悔や恥)をバネにして効率的に成長していかないと現場のものとして取り残されていくしかないと考えており、
他人の経験でも自分の経験のようにして吸収していかなければと考えています。
勿論、自分の失敗もみんなでシェアして同じ失敗をして欲しくないと思っています。
最善の答えなど本当はないのかもしれませんが、
最善に近づく為に、失敗に対する認識を変えてみるのはどうでしょう?
……と、ふと思いました。