ACLSの徐脈・頻脈
ACLSでは心停止/PEA・PVT/VFのアルゴリズムとは別に徐脈・頻脈のアルゴリズムも存在します。
心停止/PEA、PVT/VFと徐脈・頻脈で何が異なるかというと、「脈拍があるかないか」を境にして分類されます。
脈拍がない場合はすぐさまCPRとなり、心停止/PEA・PVT/VFのアルゴリズムに進みます。
ここをしっかり整理してください。
こういうことをしっかり整理して頭に入れておくと、シミュレーションや実現場での判断が少なからず早くなると考えています。
わかっているつもりになっていても、実はちゃんと分類できておらず、焦りで結局頭が真っ白になってしまうことはよくあります。
急変対応は準備で決まると言ってもいいと思いますので、自分の頭を整理して備えておきましょう。
さて、脈拍のある徐脈と頻脈に関してですが、まぁ要は不整脈への対応をどうするかという話になりますね。
まず徐脈に関してですが、これに関しては皆さんあまり意識したことがないかもしれません。
というのも、例えば炎症や出血などが起きているときの生理的な反応としては頻脈になることが多いからです。
なので、頻脈の方が皆さんが出会う頻度は高いかもしれません。
しかし、化学療法を実施しているときに時折モニターをつけてる患者さんが時折徐脈になることありませんか?
または、化学療法は終わったけど様子見として翌日までモニターをつける指示があったときに入眠中に徐脈になることありませんか?
私はこれらのことがあるたびに「経過観察していていい波形なんだろうか?」と常にビクビクしていました。
心電図の理解が乏しかったのとともに、いざ何かあったら何をしていいのかが分からなかったからだと思います。
しかし、ACLSを受講して徐脈への対応を学んだ後は、
「症状が出ていなくて循環動態が保たれていればそれほど焦ることはないし、いざとなればACLSだ」
と変に開き直ることができました。
この開き直りはあまり良いことではないかも知れませんが(笑)
少なくとも「何かあったときに何をすれば良いかがわかっている」というのは不安を少なくするのには有効です。
もちろん、心電図の理解もできるように引き続き学習は続けましょう。
次に頻脈ですが、これは皆さん身近に見られるものではないですか?
発熱、炎症、疼痛、不安、運動などなど頻脈を起こす状態はいくつもあります。
ただ。AHAマニュアルには
通常、150回/分以上の心拍数は生理的ストレス(発熱、脱水など)やその他の基礎疾患に対する反応としては異常である。
と記載されているので150回/分が一つの指標になるかもしれませんね。
頻脈でも重要な事は、
循環動態が保たれているかどうか
重篤な症状があるかどうか
になります。
特に大きな症状がなく、循環動態が保たれていていればそれほど焦らなくても大丈夫です。
この辺もしっかり整理して、落ち着いた対応ができるように備えていたいものです。
まぁ、実際の現場では他の患者のことも考えながら動かなければならなかったりするので、なんだかんだと慌ててしまうのが常ですが、
頭の整理だけは怠らないようにしておきたいものです。