呼吸回数測ろうぜ⑤
まつげ
「呼吸の評価の項目なんて他にあるんですか?さっさと聴診器当てればいいのに」
あご
「そうね、聴診器での肺の聴取も重要な項目の一つよ」
まつげ
「ですよね、しかも得るものが多いような気がしますけど」
あご
「まぁそう言わずに、あと一項目残ってるわ」
まつげ
「まだあるんですか?」
あご
「次は呼吸努力が増加してないかを評価するのよ」
まつげ
「呼吸努力?肩で息するとか?」
あご
「そうそう、まさに。ちなみにマニュアルでは『首振り呼吸』と表現されているわ」
まつげ
「肩で息するで思い出したんですけど、電車に間に合わないと思って全力で階段駆け上がってギリギリで乗れたとするじゃないですか」
あご
「はいはい」
まつげ
「でも乗れた後にゼーゼーしてるのが恥ずかしいからって我慢してる人いません?「いや、全然息切れしてませんよ」アピールみたいな」
あご
「いるわね」
まつげ
「鼻ピーピーいわせて」
あご
「そうね」
まつげ
「・・・まぁアタシなんですけど」
あご
「はぁ、まぁそういうこともあるわよね」
まつげ
「・・・あれどうしたらいいですか?」
あご
「知らないわよ⁉︎なんの話なの?違う車両に何食わぬ顔で行けばいいじゃない」
まつげ
「・・・え?すごいあご先輩、天才ですね」
あご
「いや、誰でも思いつくわ」
まつげ
「コロンブスの卵やな」
あご
「何?よくわかんないけど褒めてんの?センス無さすぎじゃない?まったく、あとは陥没呼吸と鼻翼呼吸があるわ」
まつげ
「鼻翼呼吸は鼻をヒクヒクさせるやつですか?」
あご
「ヒクヒクさせるっていうか、空気を多く取り入れようとして吸気で鼻の穴がガバッと開く感じね」
まつげ
「陥没呼吸は?」
あご
「陥没呼吸は呼吸筋を使ってまで空気を取り入れようとするから皮膚が薄い所(肋間・みぞおち)がベコベコするのよ」
まつげ
「辛い時にベコベコするなんて、しんどい時でもペコペコすることを忘れないアタシみたいですね。呼吸筋に親近感がわきます」
あご
「あなたどこがペコペコしてるのよ。私相手じゃなかったらボコボコだからね」
まつげ
「ププッ、上手いこと言おうとして無理しましたね」
あご
「・・・そういう所よ?」
・・・つづく