呼吸回数測ろうぜ④
まつげ
「第一印象でも気道の評価って話になりましたよね?」
あご
「そうね、気道の確保は何よりも優先されるものだからね。強調しすぎって事はないと思ってね」
まつげ
「正直、何回やるんだって感じですけど」
あご
「あら?でも実際に急変の場になったときに気道確保を最初に考えることできる?」
まつげ
「ん~まぁこれだけ言われれば…………自信ないですけど」
あご
「普段から意識できてないことが、慌ててる場面ではできないと思うけど?」
まつげ
「わかりましたよ、すみませんでした。でも、そう考えるとABCDアプローチってすごいですよね?よくこれだけうまく語呂合わせできましたよね」
あご
「そうね、しかも覚えやすいしね。それでも慌ててると実際の急変の場面では頭から抜けちゃったりするんだけどね」
まつげ
「そうそう、そこなんですよ、なんとかなりませんかね?」
あご
「だから急変する前に『第一印象』『一次評価』で早期発見・介入に努めようとするのよ。そのために呼吸回数の評価しろって言ってんの」
まつげ
「うわっ、話が戻った」
あご
「そらそうよ、そのために話してんだからね?『呼吸回数と呼吸パターン』、これをPEARSでは呼吸を評価する一つ目の項目にしているわ」
まつげ
「回数はわかりますけどパターンですか?・・・不規則とかそんなん?」
あご
「そうそう、あと頻呼吸の話ばっかりしたけど遅すぎてもダメだからね?」
まつげ
「遅すぎる?」
あご
「PEARSでは”呼吸回数が10回/分未満もしくは60回/分以上の場合が続けば患児が何歳でも異常と判断し、早期介入を”※と言っているわ」※(私が訳しているので公的ではありません)
まつげ
「・・・ん?”患児が何歳でも”ってどういうことですか?」
あご
「どういうことって・・・書いてある通りだけど?」
まつげ
「いや、なんで『患児』なんですか?」
あご
「え?あぁ、PEARSって『PEDIATRIC EMERGENCY ASSESSMENT, RECOGNITION, AND STABILIZATION』の略だから、一応は小児分野のものなのよ」
まつげ
「・・・え?早く言ってくださいよ。そしたら小児科じゃなければあんまり役に立たないんじゃないですか?」
あご
「いや、そんなことないわよ?小児と成人で意識する部分にいくつか違いはあるけど、考え方に大きな違いはないと思わない?」
まつげ
「生命維持の働きは一緒ってことですか?」
あご
「そうね、小児のほうが気道の管理とか低酸素の面で注意したほうがいいことがあるけど」
まつげ
「ふむふむ」
あご
「なんにしても経験しないで評価しないでいただきたいわね」
まつげ
「あご先輩に教わった結果、私の評価がどうなるか乞うご期待!」
あご
「何目線なの?あなた」
・・・つづく