呼吸回数測ろうぜ①
あご
「じゃあ今度はバイタルサインに関してだけど、その前に・・・」
まつげ
「はい?」
あご
「なんでアンタって呼吸回数測らないの?」
まつげ
「なんでって……え?要ります?」
あご
「え?要らない?」
まつげ
「必要性がちょっと解らないです。「測れ」って言われるのならちょっと考えますけど」
あご
「考えるだけ?」
まつげ
「それで断りますけど」
あご
「しかも断るの?」
まつげ
「だってメリットがあんまりない・・・というか正確に言うとわからないです」
あご
「ん~、じゃああなた血圧測ってる?」
まつげ
「そりゃ測ってますよ」
あご
「なんで?」
まつげ
「なんでって、血圧低かったらヤバイじゃないですか、普段の循環の状態の把握も出来るし」
あご
「それと同じじゃない?」
まつげ
「え?」
あご
「え?」
まつげ
「・・・言われてみればそうですね。なんで呼吸はいいと思ってるんだろう」
あご
「どうせ、上の方々が測ってないからとかそういう理由でしょう?」
まつげ
「あぁ、確かに別に測ってなくても何も言われませんしね。なんでですか?」
あご
「え?」
まつげ
「上の人はなんで測ってないんですか?」
あご
「なんでかしらね~、医師の指示にないからじゃない?」
まつげ
「そんなもんですか?」
あご
「そうでしょう。そもそも、呼吸回数を重要な情報として考えている看護師なんて少ないわよ?医師にだって少ないんだから」
まつげ
「そうなんですか?」
あご
「・・・多分」
まつげ
「多分?」
あご
「だって私が呼吸回数のこと報告しても「はぁ・・・」みたいな反応多いのよ。終いには「なにそれ、何が言いたいの?」とか言ってくる医師もいたわ」
まつげ
「へ~、苦労してますね」
あご
「なんで他人事なのよ?あなたも呼吸回数報告するようにしてよ。呼吸回数測定する人が増えればこの雰囲気は変わると思うのよね」
まつげ
「え~」
あご
「あんた『第一印象』学んだでしょ?呼吸も大事だったじゃない」
まつげ
「でもあれは、最初の数秒で判断するものだからそんなに時間かからなかったじゃないですか?」
あご
「・・・時間かかるのが嫌なの?」
まつげ
「・・・まぁ、端的に言えば」
あご
「わかったわ、あなたが時間かかってでも呼吸回数測定したくなる情報教えてあげる」
まつげ
「是非もなし」
あご
「・・・意味わかって言ってる?」
……つづく