Dream-Nursing

世の中の看護師さんに発信したい、自分で学んだ文献などを記載する備忘録。看護師さん〇〇しようぜ!

腹痛の種類

さて、腹痛の話題になったので少し腹痛周辺のことを少し考えてみましょう。

 

腹痛といっても痛みには種類があります。性状としては周期的・間欠的なものかどうか、または持続的なものかどうかに分類できます。

 

周期的・間欠的な痛み

  • 間欠的な鈍痛は内臓痛を疑う
  • 消化管や尿管・生殖器の平滑筋の攣縮や臓壁腹膜の急速な伸展・拡張によるもの

 

持続的な痛み

  • 持続しつつ増強していく痛みで刺すような鋭い痛み(体性痛)
  • 壁側腹膜や腸間膜における局所の炎症を意味する

 

ポイントとしては、間欠的な疼痛であれば、超緊急的な疾患は否定的となるので間欠痛と持続痛の鑑別が重要になってきます。

 

そこで、患者への質問の仕方に工夫が必要です。

 

問診例

「痛みが始まってから『痛みが今よりもハッキリと楽なとき』が一度でもありましたか?」(もしくは『今よりハッキリと痛みが強いとき』がありましたか?)

 

「痛みにムラがありますか?」「痛みに変化がありますか?」のような聞き方だと徐々に痛みが強くなっている状況でも「ハイ」と患者が答える可能性があります。

 

そうなった場合、持続痛が疑われるのに間欠痛と判断してしまう可能性があるので注意しましょう。

 

そして、腹痛出現のタイミングと経過を確認するのも重要なことです。

 

タイミングとしては

  • 突然発症
  • 急性発症
  • 緩徐発症

の3つに大きく分けられます。

 

突然発症

  • ある一瞬を境に痛みがピークになるもの
  • 例)消化管穿孔、腹部大動脈瘤破裂、腸管虚血

 

急性発症

  • 数分から十数分かけて痛みがピーク
  • 例)急性膵炎・胆嚢炎

 

緩徐発症

  • 数十分から数時間のうちに痛みが増強したもの
  • 例)虫垂炎、憩室炎、小腸閉塞、腸炎

 

ポイントとしては、急に出現した激しい痛みが持続する場合、外科的疾患で緊急手術を考慮する可能性が高いことを頭に入れておくといいかもしれません。

 

さて、腹痛(というか疼痛全般)の評価方法としてOPQRSTがあります。

 

O:onset  発症様式

P:palliative / provocative  増悪・寛解因子

Q:quality / quantity  症状の性質・ひどさ

R:region / radiatio 場所・放散の有無

S:associated symptom 随伴症状

T:time course 時間経過

 

急性腹症ガイドラインにも紹介されていますが、私はこれが覚えられたことがありません(笑)

第Ⅵ章 急性腹症の病歴聴取

http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/acute-abdomen/acute-abdomen-chapter6.pdf

 

皆様覚えられそうですか?

 

覚えられれば強い武器になると思いますよ?

 

参考文献

• Dr林のワクワク救急トリアージ
• ナースのための臨床推論で身につく院内トリアージ