酸素の流れ、エネルギー産生から呼吸回数測定を考えてみようぜ
まず、呼吸とは何か
『 体外から取り入れた酸素を各組織に送り届けてエネルギーをつくり 、 その代謝により産生された二酸化炭素を肺胞まで送り届けて体外に 出す』
呼吸の問題は肺などの呼吸器だけの問題では無く、循環(心臓・血球など) の問題も考えることが必要。
エネルギーを作るには・・・
好気性代謝
→すげー多くのエネルギーを作るけど遅い
好気性代謝はエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)を36個 作る
好気性代謝:36ATP+CO2+H2O
嫌気性代謝
→エネルギーを作るのは多くないけど早い
嫌気性呼吸はエネルギーを2個しか作れない
嫌気性代謝:グルコース → 2ATP+ピルビン酸 《→ 乳酸》
酸素の流れの観点からショックを考える。
ショックとは……
「酸素の需要と供給のバランスが崩れて、 組織低酸素状態になること」
上記の代謝をふまえて考えると、 ショック状態は身体に酸素が足りていない状況となる。
→嫌気性代謝でエネルギーを保持せざるをえない。
結果、いつかは嫌気性代謝でエネルギーが賄えなくなり、それぞれの臓器で機能不全が出現する。
なので、ショックに対する介入は
「呼吸の流れの中で障害が起きている部分( 酸素の供給不足が生じている部分)を認識し、 そこへの酸素供給を改善させる事が目的」
例えば・・・
- 何かしらの呼吸器系の問題で取り込む空気(酸素) の量が低下しているなら呼吸器系に介入する( 酸素投与や必要なら気道確保、補助換気)
- 酸素を運ぶ赤血球(ヘモグロビン)が少ないなら輸血をする
- 赤血球は充分だけどそれを運ぶ血流が維持出来ていない( 血圧低下)なら補液や昇圧剤(血流を強くする介入)をする 等々
呼吸回数を測定しない看護師の挙げる理由の一つに
「そもそも、測定することで何がわかるのかがわからない」
という意見は多い。
呼吸回数が増えている患者を見たら、
「 身体を動かすためのエネルギーの元になる酸素を普段よりも身体が 欲している」
と認識し、
* どこかでエネルギーの消費が激しくなっている
* どこかで酸素の運搬が滞っている
* どこかで酸素の活用が有効にされずにエネルギー産生の効率が悪く なっている。
といったことを考える。
まとめ
呼吸の問題は呼吸器だけの問題では無い。
呼吸は、結局エネルギーを作っている。
嫌気性代謝(酸素を使わない代謝) はエネルギーを少ししか作れない。
ショックの患者がいたら、呼吸の流れのどこに障害が( 酸素の供給不足が)起きているかを把握して、 そこに介入できるように患者評価をする。
エネルギー産生の代謝を理解し、病態の理解に繋げる(応用する) 。
参考文献
↑私の言うことなんてほぼここに書いてある。