呼吸回数は大事だぞ⁉︎②
前回、SpO2だけだと状態変化の認識が遅くなると書きましたが、
こういった話をすると、必ずでてくる返答が
「お前の言いたい事はまぁわかった。でも忙しいんだよ」
というものです。
これに関しては、こんな論文もあります。
「多くの看護師が呼吸回数を測定する以外の業務が患者の予後を良くすると認識している」
『Accurate respiratory rates count : So should you!』Australas Emerg Nurs J. 2017 Feb;20(1):45-47.
つまり、「呼吸回数を数えるよりも患者のためになる仕事がある」と多くの看護師が考えているようです。
まぁ、その気持ちわかります。
- 終わらない保清
- 度重なる搬送
- 鳴り止まぬナースコール
- 動き始めるセンサー・ウーゴ
『患者のためになる仕事』が多すぎる!!
それでも、患者のためになる仕事とは何かを突き詰めて考えると……
早期に体調変化に気づくこと(死なせない)
ではないでしょうか?(まぁ極論なんですがね)
「偉そうに、だったらお前は具体的に何をして欲しいんだ」
と言われるかもしれませんが
私の言いたいことはシンプルです。
呼吸回数を測りませんか?
過去にもなんども述べていますが、呼吸回数は重要な病態を指し示す事が知られています。
「27回/分を超える呼吸回数が見られた場合、一般病棟での心停止が予期される重要な因子になる」
『Respiratory rate predicts cardiopulmonary arrest for internal medicine patients.』
Fieselmann JF, Hendryx MS, Helms CM, et al.
「不安定な患者の呼吸回数の相対的な変化は心拍数や収縮期血圧の相対的な変化よりも重要であり、そのため、呼吸回数は安定した患者とリスクを持つ患者を識別する良い指標になりそうである」
『Effect of introducing the Modified Early Warning score on clinical outcomes, cardio-pulmonary arrests and intensive care utilisation in acute medical admissions.』
Subbe CP, Davies RG, Williams E, et al.
「呼吸回数25~29回/分の病棟患者の21%が病院で救急処置がされても死亡したと評価されている。しかも、呼吸回数が多いほど、より高い死亡率となっている。
さらに、一般病棟で心停止やICU入室のような事が起きた患者の半数以上が呼吸回数24回/分以上だった」
『A physiologically-based early warning score for ward patients: the association between score and outcome』
Goldhill DR, McNarry AF, Mandersloot G, et al.
呼吸回数についての論文を探すと割と急変の指標になると記載されたものがあります。
一度、pubmedなどで「respiratory rate 」で検索してみるのも興味深いですよ?
興味があれば是非(^^)