第一印象② 外観(TICLS)
TICLSですが、小児領域では有名なのでしょうか?
私はこのPEARSを受講した際に初めて知りました。
小児向き(というかお互いの発語でコミュニケーション取れない患者向き?)の評価項目だと思います。
T:Tone
I:Interactiveness
C:Consolability
L:Look/Gaze/Stare
S:Speech/Cry
となっていますが、それぞれ
T:筋緊張
I:関心、興味
C:落ち着き
L:視線
S:発語
というようにでも訳しましょうか。
(英語に詳しい人、訂正お願いします。)
以前書いたように、成人の場合は声をかけた反応で意識レベルの評価は出来そうですが
小児や難聴(聴覚障害)の方はこちらの声かけに対する反応だけで評価するのは難しいと思われます。
そのため、このような評価方法があるのではないでしょうか?
確かに、このような項目に沿った評価をした方が詳細な観察が出来るし、
他人と情報共有する場合にも認識のズレが出にくくなると思います。
ちなみに『他人と情報共有』というのは、厄介だと思いませんか?
こちらの単語の認識と相手の単語の認識が果たして同じなのか?
例えば、私が『普通』と感じる事があなたにとって『普通』なのか?
……考えてみると難しいですよね。
『語り得ぬものには沈黙しなければならない』
ヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』に書かれている言葉ですが、
「お互いが話す単語の定義を共有できない状態で会話してもどうせ分かりあえないから喋らんよ」
って言う意味だと思っています。
これを読んだ後から、「会議や会話の時にお互いの単語の定義をしっかりしないとうまく進まないよな」と思うようになりました。
……間違って理解してるかもしれない。
大変難解な本なので興味のある方は読んでみてください(笑)
話を戻しますが、成人の意識レベルの評価にはJCSやGCSがあるのでそんなに認識のズレが生じることは少ないと思います。
ただ、たまにJCSでは表現しきれない微妙なニュアンスを表現しようとTICLSで試みたりします。
なので、TICLSに関しては日々の経験からお伝え出来ることはあまりありません。
ただ、これを知っていればある患者の状態変化がもしかしたら防げたかもしれない、という経験はあります。
苦い経験ですが、せめてそれを上手く活用して成長出来ればと考えてきました。
過去の自分より少しでも前に進もう。
そんな気持ちで日々仕事しています。
今回の学び
TICLSで患者を評価してみよう。
『論理哲学論考』は難しい。
参考文献
AHA PEARSプロバイダーマニュアル