患者評価しようぜ
あご先輩
・職場の中堅看護師。丁寧な話し方を心がけて1人称を「私」にしていたらオネエと勘違いされたこと有り。最近話し方もオネエに引っ張られてきている。
まつげ
・職場の若手看護師。就職したての歓迎会でマスカラつけすぎて会場に現れて以来まつげと呼ばれることとなる。
あご
「ずっとアンタと議論したいことがあったんだけど」
まつげ
「なんですか?急に」
あご
「患者さんの評価についてなんだけど」
まつげ
「評価?」
あご
「そう、評価。バイタルサインとか意識レベルとかなんだけど?」
まつげ
「え?今更ですか?」
あご
「うん」
まつげ
「アタシもう三年目ですよ。バイタルなんて簡単じゃないですか」
あご
「簡単?私もまだまだしっかり把握できてないなって思う部分あるのに?」
まつげ
「何が難しいって言うんですか?だって右腋窩に体温計挟んで右の手指にパルスオキシメーター付けて体温が測定終わる間に左手で血圧測れば最短で終わりますよ?」
あご
「色々同時にやるの?」
まつげ
「そうですね、夜勤の時なんか限られた時間で何人も廻らないといけないんですから。効率重視です」
あご
「なるほど、それで決められた時間内に全員廻るわけね?」
まつげ
「まぁ全員廻れない時もありますけどね。そこは優先順位考えて動いてますよ。何もなさそうな患者さんのとこは後回し、もしくは最悪バイタル測りません。」
あご
「へ~、でも何もなさそうな患者さんってどんな患者さん?」
まつげ
「へ?………どんな?」
あご
「そうそう、どうやって患者さんを判別してるの?」
まつげ
「えっと~なんとなく~」
あご
「なんとなく?」
まつげ
「いや、見た感じで~」
あご
「見た感じ?」
まつげ
「いえ、すみません。改めて考えるとうまく説明出来ないです」
あご
「いや、正解があるわけじゃないし。ただ、どうやって患者さんを判別してるのかな~って」
まつげ
「・・・あご先輩はどうやって分けてるの?」
あご
「私?私は見た感じの「第一印象」かしらね~」
まつげ
「なんだ、アタシと一緒じゃないですか。」
あご
「でも私は一応言葉で説明できるわよ?」
まつげ
「じゃあ言ってみてくださいよ」
あご
「まぁ、それはまた今度ね」
まつげ
「あ、狡い。こんな雑談に付き合わされて何にも得るもの無いじゃないですか」
あご
「あんたね・・・」
まつげ
「ひどい、鬼!悪魔!真面目!」
あご
「なんで最後褒めたのよ」
……つづく